障害年金が不支給になりやすい5つの特徴
日本障害年金申請サポートセンターの増田です。
障害年金は、病気やケガで日常生活や就労に支障がある場合に国が支給するセーフティネットですが、実際には申請しても不支給になるケースが少なくありません。ここでは、特に不支給になりやすい5つの特徴を整理します。
① 障害等級に該当しない「軽度な症状」
障害年金は“障害等級”に厳格に基づいて判定され、症状が軽いと判断されれば不支給になります。
実際に、「障害等級に該当しないと判断された」せいで不支給になるケースは非常に多く、特に日常生活や職場での支障が少ないと見なされると、支給対象から外されやすいです。
② 診断書や申請書類に「不備・誤記」
医師の「診断書」や「受診状況等証明書」、「病歴・就労状況等申立書」に誤記や抜けがあると、審査官に症状が伝わらず、軽度だと判断されてしまいます。不備のある書類は不支給となる可能性が非常に高くなりやすいです。
③ 「初診日」が証明できない
障害年金には「初診日」と「障害認定日」が重要です。
特に初診日を証明できないと、そもそも審査対象にならず不支給になります。
古いカルテや廃院などで証明が困難な場合は注意が必要です。
④ 年金保険料を納めていない、もしくは未納期間が多い
20歳〜初診日の前々月までの保険料の2/3以上納付、または直近1年間未納がないことが要件です。
納付状況に問題があると、要件を満たさず不支給になります。
⑤ 「就労状況の支障」「日常生活の支障」など支障具合が正しく明記されていない
特に精神・発達障害では「就労状況の支障がない」「単身生活」などが“不利要素”として加味され、不支給や低い等級認定につながるケースが増えています。
なぜ、最近“不支給が急増”しているのか?(2024〜2025年度)
ここ数年、報道や政府調査で「不支給判定が急増」している実態が明らかになっています。
- 2024年度の不支給率(新規申請)は全国平均で13.0%。対前年の8.4%から約1.5倍増加しました。
- 精神障害での不支給率も12.1%と、6.4%からほぼ倍増。
- 件数ベースでは、24年度に不支給とされた申請が約3万人に達し、前年度の倍以上となっている。
これに対し、厚生労働省・日本年金機構は基準変更は行っていないとしつつも、報道や当事者からの声では批判や疑念も出ています。
厚労省自身も、不支給増加の適切性について点検を行うと表明しています 。
不支給リスクを避けるためのポイント
このような背景を踏まえ、申請を考える際は次の点が非常に重要になります。
- 症状の実態を“深掘り”して書類化する
日常生活・仕事への影響を具体的に、エピソードや頻度とともに記述しましょう。 - 診断書・申立書の内容を徹底チェック
医師に記載依頼する際は、「障害認定基準」を踏まえた具体的な表現を意識してください。 - 初診日の証拠(カルテ、レセプトなど)は初期段階で確認
診療記録がある病院が廃院しないよう早めの対応をする。 - 保険料納付履歴の確認と訂正申請
年金事務所などで早めの確認をし、未納分は免除状況を含めて正確に把握をする。 - 精神・発達障害の場合は専門家の力を借りる
バイアスに対抗するには、医療・社労士と連携した書類整備があればより効果的です。
特に、再申請・審査請求(不服申し立て)を戦略的に使えるよう、初回申請で不支給になった場合でも、状況が改善・悪化しているなら再チャレンジは有効です。
まとめ:不支給増加の波を超えるために
- 不支給率が急上昇し、申請者の6人に1人が不支給に。
- 障害等級未達・書類不備・初診日証明不可・保険料未納・精神障害ならではの不利要因は特に要警戒。
- 準備は“量ではなく質”。丁寧かつ客観的な証拠構築を重視すれば、不支給リスクを軽減できます。
📌最後に
障害年金は「障害等級」や「書類内容の精度」に大きく左右されます。
昨今の不支給傾向を乗り越えるには、申請書類の精度を上げ、専門家の力を借りて戦略的に申請する姿勢が不可欠です。
特に精神・発達障害の方は、日常生活の状況や就労状況による偏りにも気を配り、丁寧な説明と証拠収集で「不支給」判定の壁を突破しましょう。
また、もし書類作成に不安がある場合や、制度の細かい条件に自信がない場合は、社会保険労務士(社労士)事務所に相談するのも一つの選択肢です。
最近は初回相談無料の事務所も多く、無理に契約を迫られることもありません。
少しでも確実性を上げたい方は、検討してみる価値があります。
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