人工透析で障害年金は受給できる?2級の認定基準・申請時期・注意点を解説

「人工透析を受けていると障害年金をもらえる?」

「人工透析は何級になる?」

「週3回透析を受けながら働いていても障害年金を受給できる?」

人工透析を受けている方やご家族の中には、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、人工透析療法を受けている方は、障害年金を受給できる可能性があります。

厚生労働省の障害認定基準では、人工透析療法を施行中の方は原則として2級とされています。また、透析に伴う合併症や日常生活の状況などによっては、さらに上位の等級に認定される可能性もあります。

さらに重要なのが、人工透析を開始した場合の「障害認定日」です。

人工透析療法を初めて受けた日から3か月を経過した日が障害の程度を認定する時期とされています。ただし、初診日から1年6か月を超える場合には別途注意が必要です。

この記事では、人工透析と障害年金について、受給条件、2級の認定基準、申請できる時期、働いている場合の考え方、初診日の確認方法などをわかりやすく解説します。


目次

人工透析で障害年金は受給できる?

人工透析を受けている場合、障害年金を受給できる可能性があります。

障害認定基準では、腎疾患による障害について、自覚症状、検査成績、一般状態、治療状況、病状の経過、人工透析療法の実施状況、日常生活の状況などを総合的に判断するとされています。

そのうえで、人工透析療法を施行中の方については、

「原則として2級」

と明確に定められています。

そのため、人工透析を受けている方は、障害年金を検討する価値が高いといえます。

ただし、障害年金は人工透析を受けているという事実だけで受給できる制度ではありません。

初診日や保険料納付要件など、障害年金の基本的な受給要件を満たす必要があります。


人工透析は障害年金何級?

人工透析と障害年金を考えるうえで、最も気になるのが等級ではないでしょうか。

人工透析は原則2級

現在の障害認定基準では、人工透析療法施行中のものは原則として2級とされています。

これは非常に重要なポイントです。

過去には人工透析について3級とされていた時期もありましたが、現在の取り扱いでは原則2級です。日本年金機構も、人工透析を行っている方について、原則2級として取り扱うことを案内しています。


人工透析で1級になることはある?

人工透析を受けている場合は原則2級ですが、症状や合併症、日常生活の状況によっては1級に認定される可能性があります。

障害認定基準では、人工透析中であっても、

  • 主要な症状
  • 透析中の検査成績
  • 長期透析による合併症
  • 合併症の程度
  • 日常生活の状況

などによって、さらに上位等級に認定することがあるとされています。

例えば、透析を受けながらも重い合併症があり、日常生活に非常に大きな制限が生じている場合などは、2級より上位の等級が検討される可能性があります。

そのため、

「人工透析=必ず2級」

と考えるのではなく、現在の症状や生活状況まで確認することが大切です。


人工透析で障害年金を申請できるのはいつ?

人工透析の障害年金では、**「いつから障害年金を請求できるのか」**が非常に重要です。

一般的な障害年金では、原則として初診日から1年6か月を経過した日が障害認定日となります。

しかし、人工透析には特別な取り扱いがあります。

障害認定基準では、人工透析療法を初めて受けた日から起算して3か月を経過した日を障害の程度を認定する時期としています。

ただし、初診日から1年6か月を超える場合には、別の考え方になります。

例えば、

2025年1月10日:腎疾患で初診
2025年7月1日:人工透析開始
2025年10月1日:透析開始から3か月経過

というケースでは、障害認定日の考え方に特例が適用される可能性があります。

人工透析を開始した場合には、「初診日」と「透析を開始した日」の両方を正確に確認することが重要です。


初診日から1年6か月より前に人工透析を開始した場合

例えば、初診日から1年6か月を経過する前に人工透析を開始したケースでは、

人工透析開始から3か月を経過した日

が認定時期となる可能性があります。

これは一般的な障害年金の「初診日から1年6か月」というルールとは異なるため、人工透析を受けている方が特に注意したいポイントです。


人工透析を受けていても働いていたら障害年金はもらえない?

「透析を受けながら仕事をしているので、障害年金は無理なのでは?」

と考える方もいるかもしれません。

しかし、働いていることだけを理由として障害年金が不支給になるわけではありません。

日本年金機構も、病気やけがによって生活や仕事が制限される場合には、現役世代であっても障害年金を受け取れる場合があると案内しています。

人工透析を受けながら働いている場合でも、

  • 週に何回透析を受けているか
  • 透析後の体調
  • 勤務時間
  • 仕事の内容
  • 欠勤や早退の状況
  • 職場から受けている配慮
  • 疲労や倦怠感
  • 透析による生活上の制限

などを含めて考えることが重要です。

特に人工透析は、一般的に定期的かつ継続的な通院が必要になるため、治療によって生活や仕事にどのような制限が生じているのかを具体的に整理することが大切です。


人工透析の原因となった病気も重要

人工透析を受ける原因となる病気には、さまざまなものがあります。

例えば、

  • 糖尿病性腎症
  • 慢性糸球体腎炎
  • 腎硬化症
  • 多発性嚢胞腎
  • 慢性腎不全
  • その他の腎疾患

などです。

障害年金の認定では、腎疾患の症状や検査結果だけでなく、人工透析の実施状況や治療経過なども考慮されます。

また、腎疾患の原因となった傷病によっては、初診日の考え方が重要になる場合があります。


糖尿病から人工透析になった場合の初診日は?

糖尿病が進行して糖尿病性腎症となり、最終的に人工透析を開始した場合などには、どの日が障害の原因となった傷病の初診日なのかが重要になります。

例えば、

「糖尿病で長期間治療

糖尿病性腎症を発症

慢性腎不全

人工透析開始」

という経過をたどっている場合です。

障害年金では、初診日の確認が受給要件や年金の種類などにも関係します。

そのため、腎臓の病院だけではなく、それ以前の糖尿病などの治療歴も含めて整理することが重要です。


人工透析の障害年金では診断書が重要

障害年金の申請では、医師が作成する診断書が重要な書類になります。

腎疾患の場合、診断書には、

  • 腎疾患の病名
  • 発症からの経過
  • 治療内容
  • 人工透析の開始日
  • 透析の実施状況
  • 検査結果
  • 合併症
  • 日常生活の状況

などが記載されます。

特に人工透析の場合は、透析をいつから開始したのかが障害認定日の判断にも関係します。

そのため、透析開始日などの重要な情報については、医療機関の記録と照らし合わせながら確認することが大切です。


人工透析で障害年金を申請するときの注意点

① 初診日をしっかり確認する

障害年金では初診日が非常に重要です。

人工透析を開始した病院が最初に受診した医療機関とは限りません。

例えば、

以前のクリニック

総合病院

腎臓内科

人工透析開始

という経過であれば、最初の受診日について確認する必要があります。


② 透析開始日を確認する

人工透析の場合、透析開始から3か月を経過した日が認定時期の判断に関係します。

そのため、

「いつから人工透析を開始したのか」

を正確に確認しましょう。


③ 合併症がある場合は具体的に整理する

長期透析によって、

  • 貧血
  • 心血管系の合併症
  • 神経障害
  • 骨・関節の問題
  • 視力への影響
  • その他の合併症

などが生じている場合があります。

障害認定基準でも、長期透析による合併症の有無や程度は、等級を判断する際の考慮事項とされています。

そのため、透析そのものだけではなく、透析によって生じている症状や合併症も整理しておくことが重要です。


人工透析の障害年金を申請する流れ

一般的には、次のような流れで手続きを進めます。

STEP1 初診日を確認する

腎疾患やその原因となった病気について、初めて医療機関を受診した日を確認します。

STEP2 年金加入状況を確認する

初診日に国民年金・厚生年金のどちらに加入していたのかを確認します。

STEP3 保険料納付要件を確認する

障害年金の受給に必要な保険料納付要件を確認します。

STEP4 人工透析の開始日を確認する

初めて人工透析を受けた日を確認します。

STEP5 現在の症状や生活状況を整理する

透析による身体的負担、合併症、日常生活や仕事への影響などを整理します。

STEP6 診断書などを準備する

主治医に障害年金用の診断書を作成してもらいます。

STEP7 障害年金を請求する

必要な書類をそろえて、年金事務所などへ請求します。

日本年金機構では、障害年金について、受給要件や請求手続きなどを案内しています。


人工透析の障害年金はいくらもらえる?

「人工透析なら2級」という点と、「実際にいくら受給できるか」は別の問題です。

障害年金の金額は、障害基礎年金か障害厚生年金かによって異なります。

また、障害厚生年金の場合は、加入期間や報酬などによって年金額が変わります。

そのため、

「人工透析だから全員が同じ金額を受け取る」

というわけではありません。

具体的な年金額を確認する場合には、初診日に加入していた年金制度やこれまでの加入状況などを確認する必要があります。


人工透析で障害年金を受給できるか迷ったら

人工透析を受けている方は、障害認定基準上、原則2級とされています。

そのため、

「透析を受けているけれど障害年金について考えたことがなかった」

という方も、一度受給要件を確認してみる価値があります。

一方で、実際に障害年金を請求するためには、

  • 初診日
  • 保険料納付要件
  • 人工透析開始日
  • 年金加入状況
  • 診断書
  • これまでの治療経過

など、複数のポイントを確認する必要があります。

特に、糖尿病など別の病気が原因となって人工透析に至ったケースでは、初診日の確認が複雑になることもあります。

申請について不安がある場合には、年金事務所への相談に加えて、障害年金に詳しい社会保険労務士へ相談することも一つの方法です。


まとめ|人工透析は原則2級。申請時期と初診日の確認が重要

人工透析を受けている方は、障害年金を受給できる可能性があります。

障害認定基準では、人工透析療法施行中の方は原則2級とされています。また、症状や合併症、日常生活の状況などによっては、さらに上位等級に認定される可能性があります。

また、人工透析については、初めて透析を受けた日から3か月を経過した日が障害の程度を認定する時期とされる特例があります。ただし、初診日から1年6か月を超える場合には別途確認が必要です。

人工透析で障害年金を検討する場合は、

  • 初診日はいつなのか
  • 人工透析を開始した日はいつなのか
  • 初診日にどの年金に加入していたのか
  • 保険料納付要件を満たしているか
  • 合併症はあるか
  • 日常生活や仕事にどのような影響があるか

を整理することが重要です。

「人工透析を受けているけれど、自分の場合は障害年金を請求できるのか分からない」という場合には、専門家に相談することも選択肢の一つです。

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この記事を書いた人

障害年金ステーション事務局です。
当サイトは障害年金に強い社労士監修の元、様々な事例を紹介させていただくと共に、障害年金のことでお悩みの方やそのご家族と社労士の先生方との橋渡しをさせていただいております。

障害年金は、国民の皆様が当然受け取るべき権利です。
ぜひ障害年金ステーションを通じて、お悩みの解決ができれば幸いです。

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