障害年金の申請を調べていると、「認定日請求」や「遡及請求」という言葉を目にすることがあります。
「認定日請求とは何をするの?」
「遡及請求とは違うの?」
「何年も前の分まで障害年金を受け取れるの?」
このように、請求方法の違いが分からず悩んでいる方も少なくありません。
この記事では、障害年金の認定日請求とは何か、遡及請求との違い、受給できる時期、必要な診断書、注意点について、わかりやすく解説します。
障害年金の認定日請求とは?
障害年金の「認定日請求」とは、障害認定日の時点で障害年金の等級に該当する状態にあった場合に、障害認定日を基準として請求する方法です。
日本年金機構では「障害認定日による請求」と案内しています。
障害認定日に法令で定められた障害の状態に該当していれば、原則として障害認定日の翌月分から障害年金を受け取ることができます。
そもそも障害認定日とは?
障害認定日とは、障害の程度を判断する基準となる日です。
原則として、障害の原因となった傷病についての初診日から1年6か月を経過した日が障害認定日となります。
ただし、1年6か月を経過する前に症状が固定し、治療の効果が期待できない状態になった場合などには、その日が障害認定日となることがあります。
例えば、
- 初診日:2024年3月25日
- 障害認定日:2025年9月25日
- 障害認定日の時点で障害年金の等級に該当
という場合、認定日請求を行うことで、原則として2025年10月分からの障害年金を受け取れる可能性があります。
認定日請求と遡及請求は何が違う?
ここが最も分かりにくいポイントです。
実は、「遡及請求」は認定日請求の一つのケースとして説明されることがあります。
認定日請求は、障害認定日の時点で障害年金の等級に該当していた場合に、その障害認定日を基準として請求する方法です。
その中でも、障害認定日から時間が経過した後に請求し、障害認定日までさかのぼって年金を請求するケースを一般的に「遡及請求」と呼びます。
イメージすると分かりやすい
例えば、
2024年3月
初診日
↓
2025年9月
障害認定日
この時点ですでに2級に該当する状態
↓
2028年4月
障害年金を請求
この場合、障害認定日時点の障害状態を診断書などで確認できれば、障害認定日の翌月分からの受給を目指すことができます。
つまり、
認定日請求=障害認定日を基準にした請求方法
遡及請求=障害認定日から時間が経過した後に、認定日までさかのぼって請求するケース
と考えると分かりやすいでしょう。
認定日請求では何を確認される?
認定日請求で重要なのは、障害認定日の時点で障害年金の等級に該当する状態だったかという点です。
現在の症状が重いからといって、必ず認定日請求が認められるわけではありません。
例えば、
- 障害認定日の頃は比較的症状が軽かった
- その後、症状が悪化した
- 現在は障害年金の等級に該当する
という場合には、認定日請求ではなく、事後重症請求となることがあります。
事後重症請求では、障害認定日には等級に該当していなかったものの、その後症状が悪化して等級に該当した場合に請求します。
この場合、原則として請求日の翌月分から障害年金が支給されます。
認定日請求は何年後でもできる?
障害認定日から何年も経過していても、認定日請求そのものは可能です。
日本年金機構も、障害認定日から数年経過した後でも障害認定日による請求が可能であると案内しています。
ただし、過去の年金をすべて受け取れるとは限りません。
障害年金には時効があるため、障害認定日から5年以上経過している場合などには、過去の年金について受け取れない期間が生じることがあります。
日本年金機構も、障害認定日から5年以上経過してから認定日請求をした場合、請求日から5年以上前の分については時効により受け取れないと説明しています。
そのため、
「遡及請求なら必ず5年分もらえる」
というわけではありません。
遡及請求では診断書が重要
認定日請求、特に何年も経過してから行う遡及請求では、障害認定日の時点でどの程度の障害状態だったのかを証明することが重要です。
障害認定日から1年以上経過して請求する場合、日本年金機構では、原則として
- 障害認定日時点の診断書
- 請求日時点の診断書
の両方を添付することが案内されています。
例えば、現在は日常生活に大きな支障があっても、障害認定日の頃の状態が軽かったのであれば、遡及請求が認められない可能性があります。
反対に、障害認定日の頃からすでに障害年金の等級に該当する状態であったことを適切に証明できれば、認定日請求によって過去の期間について受給できる可能性があります。
認定日請求と事後重症請求の違い
認定日請求と事後重症請求を比較すると、次のようになります。
| 認定日請求 | 事後重症請求 | |
|---|---|---|
| 障害認定日の状態 | 等級に該当 | 等級に該当しない |
| その後 | 現在まで該当している場合など | その後に症状が悪化 |
| 支給開始 | 原則、障害認定日の翌月分 | 原則、請求日の翌月分 |
| 過去にさかのぼれるか | 条件を満たせば可能 | 原則として請求日前にはさかのぼらない |
| 重要なポイント | 障害認定日時点の状態 | 現在の障害状態 |
日本年金機構も、認定日請求では障害認定日の翌月分から、事後重症請求では請求日の翌月分から受給できると説明しています。
認定日請求で注意したい3つのポイント
① 障害認定日時点の状態が重要
認定日請求では、現在の状態だけではなく、障害認定日時点の障害状態が重要になります。
「今はかなり症状が重いから、過去の分ももらえる」とは限りません。
障害認定日の頃の診療記録や診断書などから、その時点の状態を確認する必要があります。
② 障害認定日の診断書を取得できるか確認する
遡及請求では、障害認定日の頃の診断書が必要になることがあります。
しかし、何年も前のことになると、
- 当時の病院が閉院している
- カルテが残っていない
- 主治医が退職している
- 当時の診療記録が十分に残っていない
といった問題が発生することがあります。
そのため、遡及請求を検討する場合は、できるだけ早い段階で当時の医療機関に診断書を作成できるか確認することが大切です。
③ 「遡及請求できる=必ず過去の年金がもらえる」ではない
遡及請求で最も注意したいのがこの点です。
請求すること自体はできても、
- 障害認定日時点では等級に該当していなかった
- 当時の障害状態を診断書で確認できない
- 時効により受け取れない期間がある
などの理由によって、希望どおりに過去の年金を受け取れない場合があります。
認定日請求と事後重症請求は同時に検討できる?
ケースによっては、認定日請求と事後重症請求の両方を考えることができます。
実際の障害年金請求書にも、障害認定日による請求で受給権が発生しなかった場合に、事後重症請求として請求するかどうかを選択する欄があります。
そのため、
「認定日請求が難しそうだから、最初から事後重症請求にする」
と決めつけるのではなく、障害認定日時点の状態と現在の状態をそれぞれ確認したうえで、どの請求方法が適切なのかを検討することが大切です。
障害年金の認定日請求は早めの確認が大切
障害年金の認定日請求では、単純に現在の診断書を提出すればよいというものではありません。
特に遡及請求を検討している場合には、
- 初診日を確認する
- 障害認定日を確認する
- 障害認定日時点の障害状態を確認する
- 当時の診断書を取得できるか確認する
- 現在の障害状態も確認する
- 認定日請求と事後重症請求のどちらが適切か検討する
という流れで準備することが重要です。
障害認定日から時間が経過している場合でも請求できる可能性はありますが、時効によって受け取れない期間が生じることもあるため、「昔のことだから無理」と諦めず、まず確認してみることをおすすめします。
まとめ|認定日請求と遡及請求の違いを理解しておこう
障害年金の認定日請求とは、障害認定日の時点で障害年金の等級に該当する状態だった場合に、障害認定日を基準として請求する方法です。
また、障害認定日から時間が経過した後に認定日までさかのぼって請求するケースは、一般的に「遡及請求」と呼ばれています。
重要なのは、障害認定日時点でどのような状態だったのかです。
現在の症状だけで判断するのではなく、当時の診療記録や診断書などを確認し、認定日請求が可能か検討する必要があります。
「昔から症状があったけれど、障害年金を請求していなかった」
「障害認定日にはすでに日常生活に大きな支障があった」
「今からでも過去の分を請求できるのか知りたい」
という方は、認定日請求や遡及請求を検討できる可能性があります。
障害年金の請求方法は、初診日や障害認定日、当時の障害状態などによって変わります。
請求方法について不安がある場合は、障害年金に詳しい社会保険労務士への相談も選択肢の一つです。
当サイトでは、障害年金の申請や請求に詳しい社会保険労務士事務所をご紹介しています。


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