【躁鬱病で障害年金】の受給事例
躁鬱病(双極性障害)により、日常生活や就労に大きな支障を抱えながら過ごされていた30代の女性が、障害厚生年金2級の認定を受けた事例をご紹介します。躁状態と鬱状態を繰り返し、収入も安定しない中で、「自分は障害年金を受けられるのだろうか」と不安を抱えていらっしゃいました。同じような悩みを持つ方の参考になれば幸いです。
ご相談者様の状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年代・性別 | 30代・女性 |
| 傷病名 | 躁鬱病(双極性障害) |
| 年金の種類 | 障害厚生年金 |
| 認定等級 | 2級 |
| 就労状況 | 髪飾りなどのハンドメイド商品をネットで週1〜2日販売 |
| 請求の種類 | 事後重症請求 |
| 同居状況 | 交際相手と同居 |
| 障害者手帳 | なし |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、2014年頃から心身の不調を感じ始め、内科で不安障害と診断されました。その後、精神科での治療を受けるようになりましたが、症状は安定せず、躁状態と鬱状態を繰り返すようになりました。
躁状態のときは気分が高揚し、自分の判断で治療を中断してしまったこともありました。転職活動を行い、新しい職場で数年間働きましたが、やはりメンタルの調子が悪化し、継続することができませんでした。さらに、結婚生活でのストレスもあり、離婚を経てますます精神状態が不安定になっていきました。
現在は、鬱状態では一日中寝込んでしまう日が続き、躁状態ではハイになりすぎてしまうなど、日常生活に大きな支障が出ています。希死念慮も繰り返し現れ、収入も安定しないため税金の支払いにも困窮していました。市役所に相談したところ、障害年金の検討を勧められたことが、当事務所へのご相談のきっかけとなりました。
現在は、髪飾りなどのハンドメイド商品をインターネットで販売していますが、週に1〜2日程度しか作業ができず、収入は非常に不安定な状況でした。主治医からは「診断書はしっかり書くので、障害年金を請求するなら言ってください」と協力的な言葉をいただいていましたが、どのように進めればよいかわからず、専門家への相談を決意されました。
申請で問題になったポイント
初診日の特定と証明
障害年金の申請において、初診日の特定は最も重要な要素のひとつです。ご相談者様の場合、最初に受診したのは内科でしたが、その後、複数の医療機関を転々とされていました。また、躁状態の際に自己判断で治療を中断した期間もあったため、治療歴が途切れている時期がありました。
このようなケースでは、初診の医療機関にカルテが残っているかどうかの確認、そしてその後の治療経過をどのように証明するかが重要なポイントとなります。今回のケースでは、幸いにも初診の医療機関にカルテが残っており、初診日を証明することができました。
躁鬱病特有の症状変動への対応
躁鬱病(双極性障害)は、躁状態と鬱状態を繰り返す特性があり、症状が大きく変動します。調子が良いときには「もう大丈夫かもしれない」と感じて治療を中断してしまったり、逆に調子が悪いときには受診すらできなくなったりすることがあります。
このような症状の特性を、診断書や病歴・就労状況等申立書にどのように反映させるかが、適切な等級認定を受けるための重要なポイントとなります。特に、日常生活や就労にどのような支障が出ているのかを、具体的かつ正確に伝える必要があります。
就労状況と障害の程度の整理
ご相談者様は、ハンドメイド商品の販売という形で収入を得ていらっしゃいました。このような場合、「働いているから障害年金は受給できないのではないか」と心配される方が多くいらっしゃいます。
しかし、障害年金は「働いているかどうか」ではなく、「病気やケガによって日常生活や仕事にどの程度支障があるか」で判断されます。週1〜2日しか作業できない状況、収入が不安定で税金も払えない状況、鬱状態で寝込む日が続く状況などを、客観的な事実として整理し、申請書類に反映させることが重要でした。
当事務所で行ったサポート
まず、初診日の特定から着手しました。ご相談者様の記憶と、お持ちの資料をもとに、初診の医療機関へカルテの有無を確認し、初診日を証明する資料を取得しました。治療を中断していた期間もあったため、その間の経緯についても丁寧にヒアリングを行いました。
次に、病歴・就労状況等申立書の作成にあたっては、躁鬱病特有の症状変動を正確に反映できるよう工夫しました。躁状態のときの行動、鬱状態のときの生活状況、希死念慮の頻度、日常生活での困りごと、就労の実態などを時系列で整理し、現在の障害の程度が適切に伝わるよう記載しました。
また、主治医が協力的であったことを踏まえ、診断書作成の際に特に注意していただきたいポイントについて、ご相談者様を通じてお伝えしました。躁鬱病の症状が日常生活や就労に与えている具体的な影響について、診断書に詳しく記載していただくことの重要性をご説明しました。
結果
事後重症請求により、障害厚生年金2級の認定を受けることができました。
躁状態と鬱状態を繰り返し、日常生活に大きな支障が出ている状況、週1〜2日程度しか作業できず収入が不安定な就労状況などが、適切に評価された結果と考えられます。ご相談者様からは、「年金が受給できることで、生活の不安が少し軽くなりました」とのお言葉をいただきました。
同じ傷病で障害年金を検討している方へ
躁鬱病(双極性障害)は、症状が変動するため、周囲からも本人からも「どのくらい困っているのか」が見えにくい傷病です。調子が良いときもあるため、「自分は障害年金を受けられるほどではないのでは」と感じる方もいらっしゃいます。
しかし、躁状態と鬱状態を繰り返すこと自体が、生活や仕事に大きな支障をもたらします。収入が安定しない、人間関係がうまくいかない、治療を継続できない、希死念慮に悩まされるなど、日常生活に深刻な影響が出ている場合は、障害年金の対象となる可能性があります。
また、何らかの形で働いている方でも、その就労が大きな配慮のもとで成り立っている場合や、収入が不安定な場合、フルタイムでの就労が困難な場合などは、障害年金を受給できる可能性があります。諦めずに、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めします。
障害年金の申請で大切なこと
初診日の確認と証明
障害年金の申請では、初診日がいつであるかが、受給資格や年金の種類を決める重要な要素となります。初診日とは、現在の傷病で初めて医療機関を受診した日のことです。精神疾患の場合、最初は内科や心療内科を受診し、その後専門の医療機関に紹介されることも多いため、どこが初診となるのかを正確に把握する必要があります。
また、初診の医療機関が閉院していたり、カルテの保存期間が過ぎていたりする場合もあります。そのような場合でも、初診日を証明する方法はいくつかありますので、早めに専門家に相談することが大切です。
診断書と申立書の重要性
障害年金の審査では、医師が作成する診断書と、ご本人が作成する病歴・就労状況等申立書が、非常に重要な役割を果たします。診断書には、現在の症状や日常生活の制限の程度などが記載されますが、医師が障害年金の基準を十分に理解しているとは限りません。
また、病歴・就労状況等申立書では、発病から現在までの経過、日常生活での困りごと、就労状況などを具体的に記載する必要があります。どのように記載すればよいかわからない場合は、専門家のサポートを受けることで、より正確で説得力のある申請書類を作成することができます。
専門家への早めの相談
障害年金の申請は、要件の確認から書類の準備、申請後の対応まで、専門的な知識が必要な手続きです。「自分は対象になるのだろうか」「初診日がわからない」「診断書をどう依頼すればよいかわからない」といった疑問や不安がある場合は、早めに専門家に相談することをお勧めします。
障害年金を専門に扱う社会保険労務士は、多くの事例を扱っており、個々の状況に応じた適切なアドバイスを提供できます。また、申請の手続きを代行することで、ご本人の負担を大きく軽減することも可能です。
よくある質問(Q&A)
Q. 躁鬱病でも障害年金は受給できますか?
A. はい、躁鬱病(双極性障害)で障害年金を受給されている方は多くいらっしゃいます。症状の程度や日常生活への支障の度合いによって、受給の可否や等級が判断されます。躁状態と鬱状態を繰り返し、生活や仕事に支障が出ている場合は、受給できる可能性があります。
Q. 働いていても障害年金は受給できますか?
A. はい、就労していても障害年金を受給できる可能性があります。障害年金は「働いているかどうか」ではなく、「病気によって日常生活や仕事にどの程度支障があるか」で判断されます。勤務時間が短い、配慮を受けながら働いている、収入が不安定などの場合は、受給できる可能性があります。
Q. 治療を中断していた期間があっても申請できますか?
A. 治療を中断していた期間があっても、申請は可能です。躁鬱病の場合、躁状態のときに「もう治った」と感じて治療を中断してしまうことは珍しくありません。重要なのは、初診日が証明でき、現在の障害の状態が基準を満たしているかどうかです。治療の中断期間についても、病歴・就労状況等申立書で説明することができます。
Q. 障害者手帳を持っていないと障害年金は受給できませんか?
A. いいえ、障害者手帳がなくても障害年金は申請できます。障害者手帳と障害年金は、それぞれ別の制度であり、認定基準も異なります。手帳を持っていなくても障害年金を受給している方もいれば、その逆の方もいらっしゃいます。
Q. 申請してから結果が出るまでどのくらいかかりますか?
A. 申請から結果が出るまでの期間は、通常3か月程度とされていますが、審査の状況によって前後することがあります。また、追加の資料提出を求められる場合は、さらに時間がかかることもあります。申請後は、日本年金機構からの連絡に速やかに対応できるよう準備しておくことが大切です。
無料相談のご案内
障害年金の申請は、要件の確認から書類準備まで複雑な手続きが伴います。当事務所では、躁鬱病をはじめとするさまざまな傷病での障害年金申請をサポートしております。「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいかわからない」という方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
ご注意事項
本事例は個別の状況に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。障害年金の支給要件・等級・受給額は、お一人おひとりの状況によって異なります。本記事は情報提供を目的としており、法的・医学的アドバイスを提供するものではありません。障害年金の申請をご検討の際は、必ず専門家にご相談ください。


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