【気分変調症で障害年金】の受給事例
気分変調症により日常生活や仕事に大きな支障を抱えながらも、配慮を受けながらパート勤務を続けていた30代の方が、障害厚生年金3級の受給が認められた事例をご紹介します。就労中であっても適切に申請を行うことで受給につながるケースがあることを、この事例からお伝えできればと思います。
ご相談者様の状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年代・性別 | 30代 |
| 傷病名 | 気分変調症 |
| 初診日 | 2020年6月 |
| 年金種類 | 障害厚生年金 |
| 認定等級 | 3級 |
| 就労状況 | パート勤務(週5日、9時~15時) |
| 生活状況 | 弟との2人暮らし |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、初診日の半年ほど前から、強いストレスと不眠に悩まされるようになりました。次第に頭痛が酷くなり、日常生活にも支障が出始めたため、2020年6月に医療機関を受診されました。当初は脳神経内科を受診されましたが、その後精神科に転科し、気分変調症と診断されました。
症状が悪化する中、お仕事を休職せざるを得ない時期もありました。それでも生活のためになんとか働き続けようと、復職してパート勤務を続けておられましたが、勤務時間を短縮し、周囲の理解と配慮を受けながらの就労状況でした。
体調の波があり、集中力の低下や意欲の減退により、以前のように働くことが難しくなっていました。また、対人関係でのストレスも強く、休憩時間を多く取らせてもらうなど、職場での配慮が必要な状態が続いていました。
生活面でも、家事の多くを同居する弟に頼らざるを得ない状況で、自身での管理が難しくなっていました。症状が続く中で、傷病手当金を受給していた時期もあり、経済的な不安も大きくなっていました。
そのような状況の中で、障害年金という制度があることを知り、「働いているけれど受給できるのだろうか」という不安を抱きながらも、当事務所にご相談いただきました。
申請で問題になったポイント
就労中の障害状態の証明
最も大きな課題は、パート勤務を継続している中で、どのように障害状態を証明するかという点でした。ご相談者様は「働いているから認定されないのではないか」と心配されていましたが、実際には勤務時間が短縮されており、職場での配慮を受けながらの就労でした。この「配慮を受けながらの就労」という状況を、診断書や病歴・就労状況等申立書で適切に伝える必要がありました。
初診日の特定と証明
ご相談時点では初診から5年未満でしたが、最初に受診した診療科が脳神経内科であり、その後精神科に転科していました。障害年金の初診日は「精神疾患で初めて医師の診察を受けた日」となるため、脳神経内科の受診日が初診日として認められるかどうかが重要なポイントでした。頭痛という身体症状であっても、その背景にストレスや不眠があったことを明確にする必要がありました。
遡及請求における認定日診断書の取得
ご相談時点では初診日から3年以上が経過しており、遡及請求が可能な状況でした。しかし、認定日(初診日から1年6か月後)の診断書を取得する必要があり、当時の状態を正確に反映した診断書を医師に作成していただくことが課題となりました。特に認定日当時は休職中であり、その時点での障害状態を適切に評価してもらうことが重要でした。
当事務所で行ったサポート
まず、詳細なヒアリングを通じて、発症から現在に至るまでの症状の経過、就労状況の変化、日常生活の支障について丁寧にお伺いしました。特に、パート勤務における具体的な配慮内容、勤務時間短縮の経緯、休職期間中の状態などを細かく確認し、障害状態を客観的に説明できる材料を整理しました。
初診日については、脳神経内科の受診時に既にストレスや不眠という精神症状があったことを、受診状況等証明書や病歴・就労状況等申立書で明確に示せるよう準備しました。また、診断書の作成に際しては、医師に対して認定日当時の状態や現在の就労における配慮内容を正確に記載していただけるよう、依頼文書を作成しました。病歴・就労状況等申立書では、発症から初診、休職、復職に至る経緯を時系列で詳しく記載し、日常生活や就労における具体的な支障を丁寧に説明しました。
結果
遡及請求を行った結果、障害厚生年金3級が認定されました。認定日(初診日から1年6か月後)の時点で既に3級相当の障害状態にあったと認められ、認定日からの年金を受給できることになりました。
就労中であっても、勤務時間の短縮や職場での配慮が必要な状態であることが適切に評価され、受給に至ることができました。ご相談者様からは「働いているから無理だと諦めていたが、相談してよかった」とのお言葉をいただきました。
同じ傷病で障害年金を検討している方へ
気分変調症は、抑うつ気分が長期間持続する疾患です。症状が比較的軽度に見えることもあり、周囲からは「怠けている」と誤解されたり、ご自身でも「この程度では障害年金は無理」と思い込んでしまうことがあります。
しかし、実際には日常生活や就労に大きな支障が生じているケースも多く、適切に申請を行えば受給できる可能性があります。特に、就労していても勤務時間が制限されていたり、職場での配慮を受けながら働いている場合、休職と復職を繰り返している場合などは、障害状態として評価される可能性があります。
「働いているから」「通院しているから」と諦める必要はありません。まずは専門家に相談し、ご自身の状況が障害年金の対象になる可能性があるかどうかを確認することをお勧めします。
障害年金の申請で大切なこと
初診日の確認と証明
障害年金を受給するためには、初診日を特定し、その日に加入していた年金制度や保険料納付状況を確認する必要があります。気分変調症などの精神疾患の場合、最初は内科や脳神経内科など他の診療科を受診していることもあります。その場合でも、その受診が精神症状に関連していれば初診日として認められる可能性があります。カルテの保存期間内に受診状況等証明書を取得することが重要です。
診断書の内容の重要性
障害年金の認定において、診断書は最も重要な書類です。特に精神疾患の場合、日常生活能力や就労状況について、医師に正確に伝わっていないことがあります。診断書を依頼する際には、現在の具体的な支障や職場での配慮内容などを医師に伝えることが大切です。可能であれば、社会保険労務士などの専門家に診断書の依頼方法についてアドバイスを受けることをお勧めします。
病歴・就労状況等申立書の詳細な記載
病歴・就労状況等申立書は、ご本人が記載する唯一の書類であり、診断書だけでは伝わらない生活状況や症状の経過を説明できる重要な書類です。発症から現在に至るまでの経過、日常生活での具体的な支障、就労における配慮内容などを、できるだけ詳しく記載することが大切です。「できない」「困難」といった抽象的な表現ではなく、「どのような場面で」「どのように困っているのか」を具体的に記載することで、審査する側に状況が伝わりやすくなります。
よくある質問(Q&A)
Q. 気分変調症でも障害年金は受給できますか?
A. はい、受給できる可能性があります。気分変調症は症状が軽く見られがちですが、日常生活や就労に大きな支障がある場合は障害年金の対象となります。症状の程度や生活への影響によって等級が判断されますので、まずは専門家にご相談ください。
Q. パートやアルバイトで働いていても障害年金は受給できますか?
A. はい、可能性があります。就労していても、勤務時間が短い、頻繁に欠勤する、職場で特別な配慮を受けている、などの状況があれば受給できる場合があります。「働いている=受給できない」ではありませんので、諦めずにご相談いただくことをお勧めします。
Q. 初診日が何年も前で、最初に受診した病院のカルテが残っていない場合はどうすればよいですか?
A. カルテが残っていなくても、受診状況等証明書が取得できない旨の証明書や、その他の資料(診察券、お薬手帳、領収書など)で初診日を証明できる場合があります。第三者証明という方法もありますので、まずは専門家に相談して対応を検討することが大切です。
Q. 障害者手帳を持っていないと障害年金は受給できませんか?
A. いいえ、障害者手帳がなくても障害年金は受給できます。障害者手帳と障害年金は別の制度であり、認定基準も異なります。手帳を持っていなくても障害年金を受給している方は多くいらっしゃいますし、逆に手帳を持っていても障害年金が不支給となることもあります。
Q. 遡及請求とは何ですか?通常の請求とどう違いますか?
A. 遡及請求とは、初診日から1年6か月後の「障害認定日」まで遡って年金を請求する方法です。認定日の時点で障害状態にあったと認められれば、最大5年分の年金が遡って支給されます。通常の請求(事後重症請求)は、請求した月の翌月分から年金が支給されます。遡及請求には認定日時点の診断書が必要になります。
無料相談のご案内
障害年金の申請は、要件の確認から書類準備まで複雑な手続きが伴います。当事務所では、気分変調症をはじめとするさまざまな傷病での障害年金申請をサポートしております。「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいかわからない」という方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
ご注意事項
本事例は個別の状況に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。障害年金の支給要件・等級・受給額は、お一人おひとりの状況によって異なります。本記事は情報提供を目的としており、法的・医学的アドバイスを提供するものではありません。障害年金の申請をご検討の際は、必ず専門家にご相談ください。


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