統合失調症で障害年金が認定された事例

【統合失調症で障害年金】の受給事例

統合失調症により日常生活に大きな支障が生じているご相談者様が、障害厚生年金2級の認定を受けられた事例をご紹介します。認定日の診断書に課題があったものの、遡及請求によって受給につながったケースです。


目次

ご相談者様の状況

項目 内容
傷病名 統合失調症
年金種類 障害厚生年金
認定等級 2級
就労状況 無職
請求の種類 遡及請求

ご相談までの経緯

ご相談者様は平成23年4月、睡眠障害を主訴として初めて精神科を受診されました。当初は睡眠の問題として治療を開始されましたが、その後、統合失調症の診断を受けられました。

症状が進行するにつれて、日常生活における支障が徐々に大きくなっていきました。家事や買い物をご自身で行うことが困難になり、入浴や歯磨きといった基本的な身の回りのことも、週に1度程度しかできない状態になられました。

弟様と同居され、日常生活の多くの場面でサポートを受けながら生活されていましたが、生活保護などの公的支援は受けておられませんでした。公共交通機関の利用は何とか可能でしたが、全体として日常生活に大きな制限がある状態で、当事務所にご相談いただきました。

 


申請で問題になったポイント

複数の医療機関への通院歴

ご相談者様は初診から認定日を経て現在まで、複数の医療機関に通院されていました。平成23年4月に最初の医療機関を受診され、平成26年3月まで通院。その後、別の医療機関に移られ、平成28年5月からは再び別の医療機関へ通院されていました。このように医療機関が複数にわたる場合、初診日の証明や診断書の取得に課題が生じることがあります。

認定日の診断書の内容

認定日(平成24年10月)時点の診断書は既に取得されていましたが、記載内容が実際の症状の程度を十分に反映していないという課題がありました。通常であれば診断書の修正を依頼するところですが、当時診断書を作成された医師が既に亡くなられているとのことで、修正が困難な状況でした。これは遡及請求において大きな障壁となる可能性がありました。

日常生活能力の詳細な把握

統合失調症の場合、外見上は分かりにくい症状が日常生活に大きな支障をきたしていることが少なくありません。ご相談者様も、会話は何とか成立するものの、家事全般が困難、身の回りのことも週に1度程度しかできないなど、実際の生活状況は深刻でした。このような日常生活の実態を正確に書類に反映させることが重要なポイントとなりました。


当事務所で行ったサポート

まず、初診日の証明について、最初に受診された医療機関から受診状況等証明書を取得できることを確認しました。睡眠障害で受診したことから始まった一連の経過が、統合失調症の初診日として認められるよう、丁寧に書類を整えました。

認定日の診断書については、内容が軽く記載されているという課題がありましたが、現症日の診断書や病歴・就労状況等申立書で、認定日当時から継続的に重い症状があったこと、日常生活に大きな支障が生じていたことを詳細に説明しました。特に、家事ができない状況、入浴などの身の回りのことが週1回程度しかできない状況、弟様のサポートが不可欠な状況などを具体的に記載し、実態を正確に伝えられるよう工夫しました。

また、現在の主治医に対しても、日常生活の実態を踏まえた診断書作成をお願いし、ご相談者様の状況が適切に反映されるよう調整を行いました。


結果

遡及請求の結果、障害厚生年金2級として認定されました。認定日の診断書に課題があったものの、現症日の診断書や病歴・就労状況等申立書で日常生活の実態を丁寧に説明したことが、適切な評価につながったと考えられます。

過去に遡って年金が支給されることにより、ご相談者様の今後の生活の安定につながるお手伝いができたことを嬉しく思います。


同じ傷病で障害年金を検討している方へ

統合失調症は、症状の程度や日常生活への影響が人によって大きく異なる疾患です。幻覚や妄想といった陽性症状だけでなく、意欲の低下や感情の平板化といった陰性症状、認知機能の障害なども、日常生活や就労に大きな影響を及ぼします。

「会話ができる」「外出できる」といった一見すると問題なさそうに見える状態であっても、家事ができない、身の回りのことに支障がある、家族のサポートが不可欠といった状況であれば、障害年金の対象となる可能性があります。

統合失調症の治療は長期にわたることが多く、その間の経済的な支えとして障害年金は重要な役割を果たします。「自分は該当しないかもしれない」と諦めずに、まずは専門家に相談されることをお勧めします。


障害年金の申請で大切なこと

初診日の確認と証明

障害年金の申請において、初診日は最も重要な要件の一つです。初診日とは、障害の原因となった傷病について初めて医師の診療を受けた日のことです。統合失調症の場合、睡眠障害や不安症状など、別の症状で最初に受診していることもあります。その場合でも、その日が初診日として認められることがありますので、最初に精神科や心療内科を受診した日を正確に把握することが重要です。

診断書の内容の正確性

障害年金の審査において、診断書は最も重要な書類です。特に精神疾患の場合、日常生活能力の程度や援助の必要性が詳しく記載される必要があります。医師が診察室で見る姿と、実際の家庭での生活状況には大きな差があることも少なくありません。診断書作成時には、日常生活の実態を主治医に正確に伝え、それが診断書に反映されるようにすることが大切です。

病歴・就労状況等申立書の重要性

病歴・就労状況等申立書は、ご本人やご家族が記入する書類であり、発症から現在までの経過、日常生活の状況、受けているサポートなどを詳しく記載します。診断書だけでは伝わりにくい生活の実態を補完する重要な書類です。具体的なエピソードを交えながら、どのような場面でどのような困難があるのかを丁寧に記載することで、審査においてより正確な判断材料となります。


よくある質問(Q&A)

Q. 統合失調症で通院しながら生活していますが、障害年金は受給できますか?
A. 通院治療を継続されていることは、むしろ申請において重要な要素です。症状の程度や日常生活への支障の度合いによって受給の可能性がありますので、まずは専門家にご相談ください。通院していること自体が受給の妨げになることはありません。

Q. 認定日の診断書が軽く書かれている場合、申請は難しいでしょうか?
A. 認定日の診断書の内容が軽い場合でも、病歴・就労状況等申立書や現在の診断書で当時の状況を補足説明することで認定される可能性があります。また、認定日請求が難しい場合でも、事後重症請求という方法もあります。諦めずにご相談ください。

Q. 複数の医療機関に通院していますが、初診日はどうやって証明すればよいですか?
A. 最初に受診された医療機関で「受診状況等証明書」という書類を取得します。その医療機関が既に閉院している場合や、カルテが残っていない場合には、他の方法で初診日を証明することも可能です。複雑なケースこそ専門家のサポートが有効です。

Q. 家族と同居していてサポートを受けていますが、それでも障害年金は受給できますか?
A. 家族のサポートを受けていることは、むしろ日常生活に援助が必要な状態であることの証明になります。どのような場面でどのようなサポートが必要かを具体的に示すことで、障害の程度を正確に評価してもらうことができます。

Q. 遡及請求とはどのようなものですか?
A. 遡及請求とは、障害認定日(初診日から1年6か月後)まで遡って障害年金を請求する方法です。認定日時点で障害等級に該当していれば、その時点まで遡って年金が支給されます。ただし、認定日当時の診断書が必要になるなど、要件がありますので、詳しくは専門家にご相談ください。


無料相談のご案内

障害年金の申請は、要件の確認から書類準備まで複雑な手続きが伴います。当事務所では、統合失調症をはじめとするさまざまな傷病での障害年金申請をサポートしております。「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいかわからない」という方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。


ご注意事項

本事例は個別の状況に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。障害年金の支給要件・等級・受給額は、お一人おひとりの状況によって異なります。本記事は情報提供を目的としており、法的・医学的アドバイスを提供するものではありません。障害年金の申請をご検討の際は、必ず専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

日本障害年金申請サポートセンター
(社会保険労務士法人 日本労働教育総合研究所)

神奈川県の社労士法人で、年間400件以上の障害年金請求に携わっている。
身体障害・精神障害共にサポート可能。

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