無職で自閉スペクトラム症の障害年金が認定された事例

【自閉スペクトラム症で障害年金】の受給事例

自閉スペクトラム症による生活や日常動作の困難さから、障害年金の申請を検討される方は少なくありません。今回は、千葉県にお住まいの20代の女性が、無職の状況で障害基礎年金2級の認定を受けた事例をご紹介します。日常生活に必要な動作や金銭管理が困難で、パートナーの支援を必要としながら生活されている方の事例です。


目次

ご相談者様の状況

項目 内容
年代・性別 20代・女性
傷病名 自閉スペクトラム症
都道府県 千葉県
就労状況 無職
年金種類 障害基礎年金(扶養)
認定結果 2級

ご相談までの経緯

ご相談者様は、中学生の頃から自閉スペクトラム症の症状で医療機関に通院されていました。現在は精神障害者保健福祉手帳2級をお持ちで、同棲中のパートナーの支援を受けながら生活されています。

日常生活では、料理や家事がほとんど手に付かない状態が続いており、買い物に行っても金銭管理がうまくできないという困難を抱えていました。入浴や歯磨きといった基本的な衛生管理も、パートナーがいるときは促されて何とか行えますが、一人のときは入らないことも多いという状況でした。

また、公共交通機関を一人で利用することができず、外出時には必ず付き添いが必要でした。提出期限を守ることが困難で、役所への手続きや相談の際にも、専門用語や単語が理解できず、一人では対応できない状態でした。

主治医からは就労について無理をしないよう助言を受けており、現在は無職の状態でした。体調が悪いときには通常月1回の通院ペースを早めてもらうなど、継続的な医療的支援を受けながら生活されていました。

このような状況から、障害年金の受給について当事務所にご相談いただくことになりました。インターネットで検索した際に、無料相談が可能でLINEでも連絡できること、口コミが良かったことが決め手になったとのことでした。


申請で問題になったポイント

初診日の特定と証明

ご相談者様は中学生の頃、平成26年から医療機関への通院を開始されていました。20歳前に初診があるケースでは、障害基礎年金の受給要件において初診日の特定が非常に重要になります。しかし、昨年転院をされており、当初通院していた医療機関からの情報取得が必要な状況でした。初診日を正確に証明するための書類準備が、この事例における最初の課題となりました。

日常生活能力の詳細な把握

自閉スペクトラム症の場合、日常生活における具体的な支障の内容が等級判定において重要な要素となります。ご相談者様は、家事・買い物・金銭管理・入浴・公共交通機関の利用など、複数の場面で困難を抱えていましたが、これらを診断書に正確に反映させる必要がありました。特に、パートナーからの支援がどの程度必要か、一人では何ができないのかを具体的に整理することが求められました。

診断書の適切な記載

主治医は協力的で診断書を作成してくださるとのことでしたが、日常生活の困難さを医療的観点から適切に記載していただくことが重要でした。通院時には話せていない日常生活の詳細な状況を、どのように医師に伝え、診断書に反映してもらうかが課題となりました。


当事務所で行ったサポート

まず、初診日の特定のために、過去の通院歴を丁寧にヒアリングし、必要な書類を整理しました。転院前の医療機関から受診状況等証明書を取得するための手続きをサポートいたしました。

次に、日常生活における具体的な支障について詳しくお話を伺い、診断書に盛り込むべきポイントを整理しました。家事や入浴の状況、金銭管理の困難さ、公共交通機関が使えないこと、提出期限が守れないことなど、ご相談者様の生活実態を具体的に把握し、医師に伝えるための資料を作成しました。診断書作成の際には、これらの情報が適切に反映されるよう医師への説明資料をご用意し、ご相談者様とパートナーの方にお渡ししました。また、病歴・就労状況等申立書の作成においても、中学生の頃からの経過や現在の生活状況を詳細に記載し、日常生活能力の制限を明確に示すよう工夫いたしました。


結果

申請の結果、障害基礎年金2級が認定されました。日常生活における支援の必要性、具体的な生活上の困難、継続的な通院治療の実態などが適切に評価され、2級相当の支援が必要な状態であると認められました。ご相談者様とパートナーの方にとって、経済的な支えとなる年金を受給できることになり、安心していただけました。


同じ傷病で障害年金を検討している方へ

自閉スペクトラム症は、対人関係やコミュニケーションの困難さだけでなく、日常生活のさまざまな場面で支障をきたす可能性がある疾患です。料理や買い物、金銭管理、公共交通機関の利用といった日常的な動作に困難を感じていても、「これは障害年金の対象になるのだろうか」と不安に思われる方も多いかもしれません。

しかし、実際の生活においてご家族やパートナーの支援が必要な状態であれば、障害年金の受給要件を満たす可能性があります。「自分の困難さをどう説明すればいいかわからない」「就労していないから申請できないのでは」といった不安をお持ちの方もいらっしゃいますが、無職であることが申請の妨げになることはありません。むしろ、就労が困難な状態であることは、生活や仕事に支障がある状態を示す要素の一つとなります。

諦めずに、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めします。あなたの生活の困難さは、きちんと評価されるべきものです。


障害年金の申請で大切なこと

初診日の確認と証明

障害年金の申請において、初診日は最も重要な要素の一つです。初診日とは、現在の傷病で初めて医療機関を受診した日のことを指します。自閉スペクトラム症の場合、子どもの頃から通院されているケースも多く、転院や医療機関の廃院などで証明が難しくなることもあります。できるだけ早い段階で、過去の受診歴を整理し、必要な証明書類を取得することが大切です。

日常生活の困難さを具体的に伝える

診断書や病歴・就労状況等申立書では、日常生活における具体的な困難さを伝えることが重要です。「何ができないか」だけでなく、「どのような支援があればできるか」「支援がない場合どうなるか」といった具体的な状況を記載することで、審査する側にあなたの生活実態が正確に伝わります。家族やパートナーの方の協力も得ながら、日常生活の様子を整理しておくとよいでしょう。

専門家への早めの相談

障害年金の申請は、書類の準備から提出まで多くの手続きが必要です。特に自閉スペクトラム症の場合、コミュニケーションや手続きそのものに困難を感じる方も少なくありません。専門家である社会保険労務士に相談することで、書類準備のサポートや医師への説明資料の作成、提出手続きの代行など、さまざまな支援を受けることができます。一人で悩まず、早めに相談することをお勧めします。


よくある質問(Q&A)

Q. 自閉スペクトラム症で障害年金を受給できるのは、どのような状態の場合ですか?
A. 日常生活や社会生活において、継続的に支援や配慮が必要な状態であれば、受給できる可能性があります。例えば、家事や金銭管理が困難、公共交通機関の利用ができない、就労が困難または配慮が必要といった状況が該当します。診断名だけでなく、実際の生活における困難さが重視されます。

Q. 精神障害者保健福祉手帳を持っていますが、障害年金とは別のものですか?
A. はい、精神障害者保健福祉手帳と障害年金は別の制度です。手帳を持っていなくても障害年金は申請できますし、手帳の等級と障害年金の等級が必ずしも一致するわけではありません。ただし、手帳を持っている場合は、日常生活の困難さを示す一つの資料となることがあります。

Q. 無職の場合、障害年金の申請はできないのでしょうか?
A. いいえ、そのようなことはありません。むしろ、傷病により就労が困難な状態であることは、障害年金の受給要件を満たす要素の一つとなります。就労状況は等級判定の参考にはなりますが、無職であることが申請の妨げになることはありません。

Q. 初診が子どもの頃で、当時通っていた医療機関が閉院している場合はどうすればよいですか?
A. 医療機関が閉院している場合でも、初診日を証明する方法はいくつかあります。診察券や母子手帳、学校の保健記録、お薬手帳などが残っていれば参考資料となることがあります。また、閉院した医療機関のカルテが保健所や後継の医療機関に保管されている場合もあります。専門家に相談して、可能な証明方法を探すことをお勧めします。

Q. 家族の支援を受けながら生活していますが、それでも障害年金は受給できますか?
A. はい、家族やパートナーの支援を受けながら生活している状態であっても、その支援が必要であることは障害の程度を示す重要な要素となります。むしろ、どのような支援がどの程度必要かを具体的に示すことで、日常生活における困難さが正確に評価されることにつながります。

Q. 障害年金の申請にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 申請から認定までの期間は、一般的に3〜4か月程度かかることが多いですが、ケースによって異なります。初診日の証明に時間がかかる場合や、診断書の作成に時間を要する場合は、さらに期間が延びることもあります。余裕を持って準備を進めることが大切です。


無料相談のご案内

障害年金の申請は、要件の確認から書類準備まで複雑な手続きが伴います。当事務所では、自閉スペクトラム症をはじめとするさまざまな傷病での障害年金申請をサポートしております。「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいかわからない」という方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。


ご注意事項

本事例は個別の状況に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。障害年金の支給要件・等級・受給額は、お一人おひとりの状況によって異なります。本記事は情報提供を目的としており、法的・医学的アドバイスを提供するものではありません。障害年金の申請をご検討の際は、必ず専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

日本障害年金申請サポートセンター
(社会保険労務士法人 日本労働教育総合研究所)

神奈川県の社労士法人で、年間400件以上の障害年金請求に携わっている。
身体障害・精神障害共にサポート可能。

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