【多系統萎縮症(難病)で障害年金】の受給事例
多系統萎縮症という難病の診断を受け、日常生活に大きな支障が出ている状態で障害年金の申請をされた方の事例です。構音障害や歩行困難などの症状が進行する中、厚生年金の障害年金2級として認定されました。
ご相談者様の状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 傷病名 | 多系統萎縮症(難病指定疾患) |
| 年金種類 | 厚生年金 |
| 就労状況 | 無職(退職済) |
| 都道府県 | 東京都 |
| 認定結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、2021年頃から体調の異変を感じ始め、歩行時のふらつきや言葉の出にくさを自覚されるようになりました。当初は加齢による体力低下かと思われていましたが、症状は次第に進行していき、医療機関を受診したところ多系統萎縮症と診断されました。
多系統萎縮症は、運動機能や自律神経の働きが徐々に損なわれていく進行性の難病です。ご相談者様も診断後、構音障害が特に悪化し、普通の会話や電話でのやり取りが困難になっていきました。相手の言葉は理解できても、ご自身の意思を言葉で伝えることが難しく、日常生活でのコミュニケーションに大きな支障が出るようになりました。
歩行面でも症状は進行し、屋外では転倒の危険があるため、屋内でも歩行器を使用しなければ移動できない状態となりました。また、排尿障害も出現し、尿が出にくいという自律神経症状も加わり、日常生活全般に介助や配慮が必要な状況となっていきました。
こうした状態では仕事を続けることが難しく、2023年11月に退職を余儀なくされました。身体障害者手帳は3級を取得されていましたが、実際の生活上の困難は手帳等級以上に深刻で、経済的な不安も重なり、障害年金の申請を検討されるようになりました。インターネットで検索して当事務所を見つけられ、ご相談いただきました。
申請で問題になったポイント
初診日の特定
多系統萎縮症のような難病の場合、初期症状が軽微で「いつから明確に病気が始まったのか」を特定することが難しいケースがあります。ご相談者様も、最初に体調の異変を感じた時期と、実際に医療機関を受診した時期、そして確定診断を受けた時期にそれぞれタイムラグがありました。
障害年金の申請において、初診日は保険料納付要件や年金種類を判断する極めて重要な日付です。この事例では、初診日を2021年6月頃と特定することができましたが、そのためには当時の受診記録や紹介状などの医療記録を慎重に確認する必要がありました。
症状の重症度の正確な伝達
身体障害者手帳が3級であることから、一見すると障害の程度が軽度と判断されるリスクがありました。しかし実際には、構音障害による意思疎通の困難さ、歩行器なしでは移動できない状態、排尿障害などの自律神経症状など、日常生活における支障は非常に大きいものでした。
診断書作成の際に、こうした生活上の具体的な困難さを正確に医師に伝え、診断書に反映していただくことが重要なポイントとなりました。多系統萎縮症は複数の症状が重なることで生活の質が大きく低下する疾患であるため、それぞれの症状を総合的に評価してもらう必要がありました。
進行性疾患への配慮
多系統萎縮症は進行性の難病であり、症状は時間とともに悪化していく特性があります。申請時点での状態だけでなく、今後の病状の進行も見据えた適切な等級判断が求められました。
当事務所で行ったサポート
まず、初回の面談で丁寧にご本人とご家族からヒアリングを行いました。構音障害で会話が難しいため、ご家族にも同席いただき、日常生活の具体的な様子や困りごとを詳しくお伺いしました。歩行器の使用状況、コミュニケーションの困難さ、排尿障害の程度など、一つひとつの症状が日常生活にどのような影響を与えているかを整理していきました。
初診日の特定については、過去の医療記録を時系列で整理し、最初に症状が現れた時期から確定診断までの経緯を明確にしました。また、診断書作成を依頼する際には、医師に対して現在の生活状況を詳しく記載した資料を提出し、診察時だけでは伝わりにくい日常生活の困難さを正確に診断書に反映していただけるよう配慮しました。特に多系統萎縮症という難病の特性上、複数の症状が重なることで生活全般に大きな支障が出ている点を丁寧に説明しました。
結果
申請の結果、障害厚生年金2級として認定されました。多系統萎縮症による構音障害、歩行障害、自律神経症状などが総合的に評価され、日常生活における著しい制限が認められた形となりました。
ご本人とご家族からは「病気が進行する中での経済的な不安が少し軽減された」「申請の複雑な手続きを専門家にサポートしてもらえて安心できた」とのお言葉をいただきました。難病と向き合いながらの生活は依然として大変ですが、障害年金という経済的な支えが得られたことで、治療やリハビリテーションに専念できる環境が整いました。
同じ傷病で障害年金を検討している方へ
多系統萎縮症は、国が指定する難病の一つであり、進行性の神経変性疾患です。運動機能や自律神経の障害が複合的に現れ、日常生活に大きな影響を及ぼします。「まだ何とか生活できている」「手帳の等級が低い」と感じていても、実際には相当な努力や工夫、ご家族の支援によって日常を送られている方が多いのではないでしょうか。
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に支障が出ている方を支援する制度です。多系統萎縮症のように進行性の疾患の場合、現在の状態だけでなく今後の経過も含めて評価されます。「自分はまだ大丈夫」と我慢せず、早めに専門家に相談することをお勧めします。
申請手続きは複雑に感じられるかもしれませんが、一つひとつ丁寧に進めていけば道は開けます。同じような症状でお悩みの方は、ぜひ一度専門家にご相談ください。あなたの状況に応じた適切なアドバイスとサポートを受けることができます。
障害年金の申請で大切なこと
初診日の確認と記録の保管
障害年金の申請において、初診日は最も重要な要素の一つです。初診日によって保険料の納付要件が判断され、障害基礎年金か障害厚生年金かが決まります。多系統萎縮症のような進行性の疾患では、最初の異変を感じた時期と確定診断の時期に差があることが多いため、できるだけ早い段階から医療機関の受診記録を保管しておくことが大切です。
診察券、紹介状の控え、お薬手帳なども初診日を証明する資料となる可能性があります。すでに受診から時間が経過している場合でも、カルテの保存期間内であれば医療機関から証明を取得できる場合がありますので、諦めずに確認してみましょう。
診断書への正確な情報提供
障害年金の等級判断において、診断書は最も重要な書類です。しかし、医師の診察は限られた時間で行われるため、日常生活の細かな困難さまで正確に把握することは難しい場合があります。
診断書を依頼する前に、日常生活でどのような場面でどのような困難があるかを具体的にメモにまとめておくと良いでしょう。歩行の状態、コミュニケーションの困難さ、自律神経症状、日常生活動作の制限など、客観的な事実を整理して医師に伝えることで、より実態に即した診断書を作成してもらえる可能性が高まります。
専門家への早めの相談
障害年金の制度は複雑で、要件の確認から書類の準備まで専門的な知識が必要です。特に難病の場合は、疾患の特性を理解した上で申請を進める必要があります。「自分で調べてもよくわからない」「何から始めればいいかわからない」と感じたら、早めに障害年金を専門とする社会保険労務士に相談することをお勧めします。
初回相談は無料で行っている事務所も多くあります。ご自身の状況で受給の可能性があるか、どのような準備が必要かなど、具体的なアドバイスを受けることができます。病気と向き合いながらの手続きは大きな負担となりますので、専門家のサポートを活用することも選択肢の一つです。
よくある質問(Q&A)
Q. 多系統萎縮症と診断されましたが、まだ働いています。障害年金は申請できますか?
A. 就労していても、業務に大きな支障があったり、勤務時間や業務内容に配慮を受けながら働いている場合は、障害年金を受給できる可能性があります。働いているかどうかではなく、病気によってどの程度生活や仕事に制限があるかが重要な判断基準となります。
Q. 身体障害者手帳を持っていないと障害年金は受給できませんか?
A. 身体障害者手帳と障害年金は別の制度ですので、手帳がなくても障害年金を申請することは可能です。逆に手帳を持っていても障害年金が受給できるとは限りません。それぞれ独自の基準で判断されますので、手帳の有無にかかわらず、まずは障害年金の要件を確認されることをお勧めします。
Q. 病状が進行性の場合、申請のタイミングはいつが良いですか?
A. 多系統萎縮症のような進行性の疾患では、日常生活や仕事に明確な支障が出始めた段階で申請を検討されることをお勧めします。あまり早すぎると認定基準に達しない可能性がありますが、かといって我慢しすぎる必要もありません。専門家に相談して、現在の状態で申請可能かどうかを判断してもらうと良いでしょう。
Q. 初診日が何年も前で、当時の病院のカルテが残っているか不安です。
A. 医療機関には法律でカルテの保存義務があり、最低5年間は保管されています。それ以上前の場合でも、病院によっては長期保管している場合もあります。まずは当時受診した医療機関に問い合わせてみましょう。カルテが廃棄されていても、診察券や紹介状、お薬手帳などから初診日を証明できる場合もあります。
Q. 家族に代わりに手続きをしてもらうことはできますか?
A. 障害年金の申請は、ご本人に代わってご家族が手続きを進めることも可能です。特に構音障害などで意思疎通が難しい場合は、ご家族が窓口とのやり取りや書類の準備をサポートすることが一般的です。また、社会保険労務士に依頼すれば、専門家が代理人として申請手続き全般を行うこともできます。
無料相談のご案内
障害年金の申請は、要件の確認から書類準備まで複雑な手続きが伴います。当事務所では、多系統萎縮症(難病)をはじめとするさまざまな傷病での障害年金申請をサポートしております。「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいかわからない」という方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
ご注意事項
本事例は個別の状況に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。障害年金の支給要件・等級・受給額は、お一人おひとりの状況によって異なります。本記事は情報提供を目的としており、法的・医学的アドバイスを提供するものではありません。障害年金の申請をご検討の際は、必ず専門家にご相談ください。


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