東京都で網膜外層障害の障害年金が認定された事例

【網膜外層障害で障害年金】の受給事例

網膜外層障害により視力や視野に支障をきたし、日常生活や仕事に困難を抱えている方からのご相談。パートタイムでの就労を続けながらも、視覚障害による生活上の制約に悩まれていた東京都在住の方の事例をご紹介いたします。


目次

ご相談者様の状況

  • 年代:50代
  • 性別:女性
  • 傷病名:網膜外層障害、網膜動脈閉塞症
  • 年金種類:厚生年金
  • 就労状況:パート(子供服の販売)
  • 生活状況:一人暮らし
  • 認定結果:3級

ご相談までの経緯

ご相談者様は、約20年前に左眼の網膜動脈閉塞症を発症され、その後左眼の視力が大きく低下されました。そして2020年6月、右眼にも網膜外層障害が発症。両眼の視力障害により、日常生活や仕事に大きな支障をきたすようになりました。

パートとして子供服の販売のお仕事をされていましたが、細かい作業や視野が必要な業務に困難を感じながらも、生活のために働き続けておられました。ご主人を病気で亡くされており、一人暮らしをされているため、経済的な不安も抱えていらっしゃいました。

障害者手帳は取得されていましたが、障害年金については「働いているから受給できないのではないか」と思い込んでおられ、申請を諦めかけていたとのことです。しかし、視力の低下が進行し、このままでは生活が立ち行かなくなるという危機感から、インターネットで当事務所を見つけられ、LINEでご相談をいただきました。シフト制のお仕事で電話連絡が難しい状況でしたが、LINEでのやり取りが可能な点を評価いただき、正式にご依頼をいただくことになりました。


申請で問題になったポイント

初診日の特定が複雑だった

この事例で最も困難だったのは、初診日の特定です。左眼の網膜動脈閉塞症の初診日は2002年8月であり、右眼の網膜外層障害の初診日は2020年6月でした。主治医からは右眼の初診日を基準とすべきと説明を受けられていましたが、障害年金の制度上、両眼の視力障害として一体的に判断する必要があるため、どちらの初診日を採用すべきかが重要な論点となりました。

また、右眼の初診時に受診された医療機関が既に閉院しており、カルテの確認に時間を要しました。幸い、同じ場所で別の医師が診療を継続されており、紹介状のコピーを取得できる見込みがありましたが、書類の取得には慎重な対応が必要でした。

検査データの不足と返戻への対応

認定日請求を行う際、視野図の検査データが初診時には実施されておらず、診断書に添付できない状況でした。障害年金の視覚障害の審査では、視力だけでなく視野の検査結果も重要な判断材料となります。そのため、返戻(書類の不備による差し戻し)の可能性を考慮しながら、直近の検査データを準備し、一旦申請を試みるという方針を立てました。

実際に年金事務所から返戻があり、左眼の初診時の受診状況等証明書が追加で必要となりました。初診から20年以上が経過しているため、カルテの保存状況が心配されましたが、医療機関に確認したところ紙カルテが残っており、無事に証明書を取得することができました。

就労と障害状態の両立の説明

ご相談者様はパートタイムで就労を継続されていましたが、視力の低下により業務に支障をきたしていました。「働いているから障害年金はもらえない」という誤解は非常に多いのですが、実際には就労していても、業務に制約があり配慮を受けている場合や、短時間勤務にとどまっている場合などは、障害年金の受給対象となる可能性があります。この点を診断書や病歴・就労状況等申立書で丁寧に説明する必要がありました。


当事務所で行ったサポート

初回のご相談から、ご相談者様の生活状況や症状、就労の実態について丁寧にヒアリングを行いました。シフト制で通院もあるため、連絡のタイミングに配慮しながら、主にLINEを活用してコミュニケーションを取らせていただきました。

初診日の特定については、医療機関への問い合わせや紹介状の取り寄せなど、複雑な手続きを代行いたしました。閉院した医療機関への対応や、カルテ保存の確認など、ご本人だけでは難しい調整を進めました。また、返戻があった際には速やかに追加書類の取得を行い、年金事務所との窓口対応もサポートいたしました。診断書の内容についても、視覚障害の認定基準を踏まえた記載が必要な点を医師に説明し、適切な内容で作成いただけるよう調整を行いました。


結果

返戻への対応や追加書類の提出を経て、厚生年金の障害等級3級として認定されました。視力の障害は、日常生活だけでなく就労にも大きな影響を及ぼすものであり、その実態が適切に評価された結果となりました。

ご相談者様からは「一人では諦めていたと思います。丁寧にサポートしていただき本当に感謝しています」とのお言葉をいただきました。認定までには時間を要しましたが、諦めずに手続きを進めたことで、今後の生活の支えとなる年金を受給できることになりました。


同じ傷病で障害年金を検討している方へ

網膜外層障害や網膜動脈閉塞症などの眼の疾患は、視力や視野に深刻な影響を及ぼし、日常生活や仕事に大きな制約をもたらします。見た目では分かりにくい障害であるため、周囲の理解を得にくく、一人で悩みを抱え込んでしまう方も少なくありません。

「働いているから」「片眼は見えるから」と申請を諦めてしまう方もいらっしゃいますが、実際には就労の有無だけで判断されるわけではありません。視力や視野の程度、日常生活や仕事への支障の実態によって、障害年金の受給対象となる可能性があります。

初診日が古い場合や、複数回の発症がある場合など、手続きが複雑になるケースもありますが、適切に対応すれば認定を受けられる可能性は十分にあります。視覚障害でお悩みの方は、ぜひ一度専門家にご相談ください。


障害年金の申請で大切なこと

初診日の確認と証明書類の早期取得

障害年金の申請において、初診日の特定は最も重要なポイントの一つです。初診日によって加入していた年金制度や納付要件が変わるため、正確な確認が必要です。特に発症から時間が経過している場合や、複数の医療機関を受診している場合は、カルテが廃棄されている可能性もあります。申請を検討されたら、できるだけ早く初診時の医療機関にカルテの保存状況を確認することをお勧めします。

視覚障害の特性を踏まえた診断書作成

視覚障害の認定には、視力だけでなく視野の検査結果も重要です。障害年金用の診断書には、眼科の専門的な検査データを添付する必要があり、測定方法や記載内容にも細かい基準があります。医師に診断書を依頼する際には、障害年金の認定基準を理解している専門家のサポートを受けることで、より適切な内容の診断書を作成してもらうことができます。

就労状況と日常生活の困難さを適切に伝える

視覚障害がある場合、就労を続けていても業務内容に制限があったり、通勤や職場での移動に困難があったりすることが多いものです。病歴・就労状況等申立書では、こうした具体的な支障を丁寧に記載することが大切です。「何ができないか」「どのような配慮を受けているか」「日常生活でどのような困難があるか」といった点を、具体的なエピソードを交えて説明することで、審査においてご自身の状況がより正確に伝わります。


よくある質問(Q&A)

Q. 片眼だけの視力障害でも障害年金は受給できますか?
A. 片眼のみの視力障害であっても、その程度によっては障害年金の対象となる可能性があります。視力の数値や視野の状態、日常生活への支障の程度などを総合的に判断されます。片眼の視力が著しく低下している場合は、一度専門家にご相談されることをお勧めします。

Q. 働いていても障害年金は受給できますか?
A. 就労の有無だけで受給の可否が決まるわけではありません。視覚障害により業務に支障があり、短時間勤務や軽作業に限定されている場合などは、受給できる可能性があります。特に厚生年金の3級は、「労働に著しい制限を受ける状態」が対象となっており、就労していても認定されるケースは多くあります。

Q. 網膜の疾患で初診日が古い場合、カルテがなくても申請できますか?
A. 初診日から5年以上経過すると、医療機関によってはカルテが廃棄されている可能性があります。しかし、紹介状や診療情報提供書、お薬手帳、医療費の領収書など、他の資料で初診日を証明できる場合もあります。カルテがない場合でも諦めず、保有している医療関係の資料を確認し、専門家に相談することをお勧めします。

Q. 障害者手帳を持っていれば障害年金も自動的にもらえますか?
A. 障害者手帳と障害年金は別の制度であり、手帳を持っているからといって自動的に年金が受給できるわけではありません。それぞれ認定基準が異なるため、別途申請手続きが必要です。ただし、手帳の診断書は障害年金の申請時にも参考資料として活用できる場合があります。

Q. 申請から認定まではどのくらいの期間がかかりますか?
A. 一般的には申請から3〜4ヶ月程度で結果が出ますが、書類の不備による返戻があった場合や、初診日の証明に時間がかかる場合などは、それ以上の期間を要することもあります。特に視覚障害の場合、検査データの準備や診断書の作成に時間がかかることもあるため、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。


無料相談のご案内

障害年金の申請は、要件の確認から書類準備まで複雑な手続きが伴います。当事務所では、網膜外層障害をはじめとするさまざまな傷病での障害年金申請をサポートしております。「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいかわからない」という方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。


ご注意事項

本事例は個別の状況に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。障害年金の支給要件・等級・受給額は、お一人おひとりの状況によって異なります。本記事は情報提供を目的としており、法的・医学的アドバイスを提供するものではありません。障害年金の申請をご検討の際は、必ず専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

日本障害年金申請サポートセンター
(社会保険労務士法人 日本労働教育総合研究所)

神奈川県の社労士法人で、年間400件以上の障害年金請求に携わっている。
身体障害・精神障害共にサポート可能。

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