【双極性障害で障害年金】の受給事例
双極性障害により日常生活に大きな支障が出ている千葉県在住の方から、障害年金のご相談をいただきました。当事務所でサポートした結果、障害厚生年金2級が認定されました。同じような状況でお悩みの方の参考になればと思い、本事例をご紹介いたします。
ご相談者様の状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 傷病名 | 双極性障害 |
| 年金の種類 | 障害厚生年金 |
| 認定結果 | 2級 |
| 居住地 | 千葉県 |
| 就労状況 | 無職 |
| 初診日 | 2021年10月 |
| 障害認定日 | 2023年4月 |
| 障害者手帳 | あり |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、2021年10月に精神的な不調を感じて精神科クリニックを受診され、双極性障害との診断を受けました。当初は通院治療を続けながら生活されていましたが、気分の波が激しく、躁状態とうつ状態を繰り返すようになり、日常生活に大きな支障が出るようになりました。
調子が良いときには家事や買い物をご主人と一緒に行うこともありますが、それも体調次第で不安定な状態でした。特に調子が悪い時期には、入浴や歯磨きなどの基本的な身の回りのことさえできなくなることもありました。家事についても、調子が良いときにまとめて行うという不規則な生活を余儀なくされていました。
公共交通機関の利用も体調次第という状況で、外出には大きな不安を抱えておられました。このような状況から就労することが難しく、無職の状態が続いていました。月1回のペースで通院を続けられており、主治医の先生も協力的でしたが、障害年金の申請については知識がなく、ご自身で手続きを進めることに不安を感じられていました。
実は障害認定日のタイミングで一度申請を検討されたのですが、失業保険を受給するため、その時点では障害年金の申請を見送られた経緯がありました。しかし、その後も症状が改善せず、生活が困難な状況が続いたため、当事務所にご相談いただくことになりました。
申請で問題になったポイント
障害認定日での申請機会を逃していたこと
ご相談者様は、障害認定日(初診日から1年6か月後)のタイミングで一度申請を検討されていましたが、失業保険の受給を優先されたため申請を見送られていました。障害年金と失業保険の関係について正しい情報を得られていなかったことが、申請のタイミングを逃す原因となっていました。この点について、遡及請求が可能かどうかを慎重に検討する必要がありました。
日常生活能力の変動が大きいこと
双極性障害の特徴として、調子が良い時期と悪い時期の波が激しいという点があります。ご相談者様も、調子が良いときには買い物や家事をある程度こなせる一方で、調子が悪いときには入浴や歯磨きさえできないという状況でした。このような症状の変動を、診断書や病歴・就労状況等申立書にどのように正確に反映させるかが重要なポイントでした。
配偶者との同居による生活状況の評価
ご相談者様はご主人と同居されており、日常生活において一定のサポートを受けられる環境にありました。しかし、サポートがあるからこそ生活が成り立っているという事実を適切に伝える必要がありました。ご自身の能力だけでは日常生活が困難であることを、具体的なエピソードとともに明確に示すことが求められました。
当事務所で行ったサポート
まず、ご相談者様の生活状況について丁寧にヒアリングを行いました。調子の良い日と悪い日でどのような違いがあるのか、どのような場面で配偶者のサポートが必要なのか、具体的なエピソードを詳しくお聞きしました。双極性障害特有の症状の波について、診断書や病歴・就労状況等申立書で正確に伝えられるよう、記載内容を慎重に検討しました。
また、障害認定日時点での診断書取得が可能かどうか医療機関に確認し、遡及請求の可能性を探りました。主治医の先生が協力的であったため、当時のカルテ記録に基づいた診断書作成をお願いし、認定日請求として申請を進めることができました。病歴・就労状況等申立書では、発症から現在までの症状の経過、日常生活での具体的な困難さ、配偶者のサポートが必要な場面などを詳細に記載し、ご相談者様の実態が正確に伝わるよう工夫しました。
結果
申請の結果、障害厚生年金2級が認定されました。双極性障害による日常生活の制限が適切に評価され、障害認定日に遡って年金を受給できることになりました。調子の良い時期と悪い時期の波が激しいという双極性障害の特性を、診断書や申立書で具体的に示せたことが、認定につながったと考えられます。
同じ傷病で障害年金を検討している方へ
双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返すという特徴があり、症状の波によって日常生活能力が大きく変動します。調子の良いときには普通に生活できることもあるため、「自分は障害年金の対象ではないのでは」と考えてしまう方も少なくありません。
しかし、症状の波があること自体が病気の特徴であり、調子の悪いときに日常生活や就労に大きな支障が出ているのであれば、障害年金の対象となる可能性があります。特に、入浴や歯磨きなどの基本的な行為ができなくなる時期がある、家事や買い物が計画的にできない、公共交通機関の利用が困難になるなどの状況がある場合は、申請を検討する価値があります。
「配偶者がいるから」「手帳の等級が低いから」といった理由で諦める必要はありません。大切なのは、ご自身の日常生活の実態を正確に伝えることです。まずは専門家に相談し、ご自身のケースで申請の可能性があるかどうかを確認されることをお勧めします。
障害年金の申請で大切なこと
初診日の特定と証明
障害年金の申請において、初診日の特定は最も重要なポイントの一つです。初診日によって加入していた年金制度が決まり、受給できる年金の種類や金額が変わってきます。また、初診日から1年6か月後が障害認定日となるため、遡及請求の可否にも関わります。初診の医療機関が廃院していたり、カルテが残っていなかったりすると証明が困難になる場合もありますので、早めに確認されることをお勧めします。
診断書の内容を充実させること
障害年金の審査において、診断書は最も重要な書類です。特に精神疾患の場合、日常生活能力の程度や援助の必要性などが詳しく記載される必要があります。主治医の先生が障害年金の診断書作成に慣れていない場合もありますので、日頃の診察時から、日常生活でできないこと、困っていることを具体的に伝えておくことが大切です。必要に応じて、診断書作成の際に補足資料を提出することも有効です。
病歴・就労状況等申立書を丁寧に作成すること
病歴・就労状況等申立書は、ご本人やご家族が作成する書類であり、発症から現在までの経過や日常生活の状況を詳しく記載します。診断書だけでは伝わりにくい具体的なエピソードや、症状による生活への影響を記載する重要な書類です。「いつ、どのような症状があり、どのように生活に支障が出たのか」を時系列で整理し、具体的に記載することで、審査する側に実態が伝わりやすくなります。
よくある質問(Q&A)
Q. 双極性障害でも障害年金を受給できますか?
A. はい、双極性障害で障害年金を受給されている方は多くいらっしゃいます。症状によって日常生活や就労に制限がある場合は、受給できる可能性があります。躁状態とうつ状態の波があること自体が病気の特徴ですので、調子の良い時期があっても申請は可能です。
Q. 配偶者と同居していると障害年金は受給できませんか?
A. 配偶者と同居していても障害年金の受給は可能です。むしろ、配偶者のサポートがあるからこそ生活が成り立っているという実態を示すことで、ご自身だけでは日常生活が困難であることを証明できる場合もあります。サポートの内容を具体的に伝えることが重要です。
Q. 障害者手帳を持っていないと障害年金は申請できませんか?
A. いいえ、障害者手帳と障害年金は別の制度ですので、手帳がなくても障害年金の申請は可能です。ただし、手帳を持っている場合は、診断書作成の際の参考資料として活用できることがあります。手帳の等級と障害年金の等級は必ずしも一致しませんので、手帳の等級が低くても障害年金が認定される可能性はあります。
Q. 失業保険を受給していると障害年金は受給できませんか?
A. 失業保険は「働く意思と能力がある」ことを前提とした制度であり、障害年金は「病気やケガで生活や仕事に支障がある」ことを前提とした制度です。そのため、基本的には同時受給はできませんが、失業保険の受給が終了した後に障害年金を申請することは可能です。ケースによっては遡及請求も検討できる場合があります。
Q. 通院が月1回程度でも障害年金は受給できますか?
A. 通院頻度と障害年金の受給可否は直接的な関係はありません。大切なのは、適切な治療を継続しているかどうかです。病状が安定していて月1回の通院で済んでいる場合もあれば、症状が重くても主治医の判断で月1回の通院としている場合もあります。通院頻度よりも、日常生活や就労にどの程度支障があるかが審査のポイントとなります。
無料相談のご案内
障害年金の申請は、要件の確認から書類準備まで複雑な手続きが伴います。当事務所では、双極性障害をはじめとするさまざまな傷病での障害年金申請をサポートしております。「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいかわからない」という方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
ご注意事項
本事例は個別の状況に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。障害年金の支給要件・等級・受給額は、お一人おひとりの状況によって異なります。本記事は情報提供を目的としており、法的・医学的アドバイスを提供するものではありません。障害年金の申請をご検討の際は、必ず専門家にご相談ください。


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