【肢体不自由(筋ジストロフィーやミオパチーに起因)で障害年金】の受給事例
筋力の低下により日常生活に支障が出ているものの、治療法のない難病と診断された60代男性の事例です。身体障害者手帳をお持ちの状態で障害年金のご相談をいただき、厚生年金2級に認定されました。同様のお悩みをお持ちの方にとって、参考となる事例をご紹介いたします。
ご相談者様の状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年代・性別 | 60代・男性 |
| 傷病名 | 肢体不自由(筋ジストロフィーやミオパチーに起因) |
| 初診日 | 2017年12月 |
| 年金種類 | 厚生年金 |
| 決定等級 | 2級 |
| 就労状況 | 定年退職後(申請時無職) |
| 身体障害者手帳 | 2級(体幹機能障害) |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、定年退職まで会社員として勤務されていました。2017年12月頃から徐々に筋力の低下を感じるようになり、近隣の整形外科を受診されました。診察の結果、より詳しい検査が必要と判断され、紹介状を持って総合病院の脳神経内科を受診されました。
紹介先の病院では、MRI検査、血液検査、針筋電図検査などさまざまな検査を受けられ、ミオパチーや筋ジストロフィーといった筋疾患に起因する病気であることが推察されました。医師からは、さらなる病名の特定には筋生検という大掛かりな検査が必要だが、現代医学では根本的な治療法がない難病であるため、それ以上の検査は必要ないと説明を受けられました。
症状としては、単独での歩行は可能なものの、階段の上り下りには手すりが必須で、椅子から立ち上がる際にも何かにつかまらなければ立ち上がれない状態でした。筋力が徐々に衰えていく進行性の病気であり、日常生活における制限が次第に大きくなっていきました。
体幹機能障害により身体障害者手帳2級を取得されていた状況で、定年退職を迎えられました。失業保険と企業年金を受給されていましたが、65歳からの老齢年金受給までの収入確保を考える中で、障害年金という制度があることを知り、当事務所へご相談いただきました。
当初は「障害年金が難しくとも障害手当金の受給なら可能ではないか」とお考えでしたが、詳しくお話を伺うと障害年金の受給要件を満たしている可能性が高いと判断いたしました。
申請で問題になったポイント
初診日の特定と証明
ご相談者様の場合、最初に受診した整形外科と、紹介先の総合病院の脳神経内科のどちらが初診日となるかを明確にする必要がありました。障害年金における初診日とは、「障害の原因となった傷病について、初めて医師の診療を受けた日」と定義されています。
この事例では、整形外科を受診した2017年12月が真の初診日となり、紹介状により脳神経内科へ転院した2018年1月が次の受診日という整理になります。初診日の証明においては、紹介状の存在や医療機関のカルテ記録が重要な証拠となりました。
症状の日常生活への影響を正確に伝える
筋ジストロフィーやミオパチーといった進行性の筋疾患の場合、見た目には分かりにくい障害であることが多く、実際の日常生活における困難さが診断書に十分反映されないケースがあります。
ご相談者様の場合、「歩行は可能」という事実だけを見ると軽度に見えてしまう可能性がありましたが、実際には階段昇降が困難、立ち上がり動作に支障がある、筋力低下が進行しているといった具体的な状況を正確に医師へ伝え、診断書に反映していただく必要がありました。
納付要件の確認
障害年金を受給するためには、初診日の前日時点で一定期間の保険料納付要件を満たしている必要があります。ご相談者様は長年会社員として勤務されており、厚生年金保険料の未納がないとのことでしたので、この点はクリアされていました。
当事務所で行ったサポート
まず、ご相談者様の病状や日常生活の状況について丁寧にヒアリングを行い、障害年金の受給要件を満たしているかを確認いたしました。初診日の特定については、整形外科と総合病院の両方の受診経緯を整理し、紹介状の存在を確認することで、正確な初診日を証明する準備を進めました。
診断書作成にあたっては、日常生活における具体的な困難さ(階段昇降時の手すりの必要性、立ち上がり動作の困難さ、筋力低下の進行状況など)を医師へ正確に伝えるためのポイントをまとめた資料をご用意し、ご相談者様に医療機関へお持ちいただきました。また、病歴・就労状況等申立書については、発症から現在に至るまでの経緯、症状の推移、日常生活への影響を分かりやすく記載できるようサポートいたしました。
結果
申請の結果、厚生年金2級として認定されました。身体障害者手帳2級をお持ちであることも、障害の程度を客観的に示す重要な資料となりました。
進行性の筋疾患という特性上、今後も定期的な診断書提出による更新手続きが必要になりますが、現在の障害状態が正確に評価され、受給につながったことで、ご相談者様の生活面での不安が軽減されました。老齢年金の繰り上げ受給を検討されていた状況から、障害年金による経済的サポートを得られることとなり、大変お喜びいただけました。
同じ傷病で障害年金を検討している方へ
筋ジストロフィーやミオパチーなどの筋疾患は、進行性で根本的な治療法がないケースも多く、日常生活における制限が徐々に大きくなっていく傾向があります。「歩けるから」「仕事ができているから」と障害年金の対象外だと思い込んでいる方も少なくありませんが、実際には認定される可能性があります。
障害年金の審査では、日常生活動作の制限の程度が重視されます。階段の上り下りが困難、立ち上がり動作に支障がある、長時間の歩行ができない、転倒のリスクが高いなど、具体的な生活上の困難があれば、それを正確に伝えることが重要です。
進行性の疾患の場合、「もう少し悪くなってから」と申請を先延ばしにされる方もいらっしゃいますが、現在の状態でも受給要件を満たしている可能性があります。まずは専門家にご相談いただき、受給の可能性を確認されることをお勧めいたします。
障害年金の申請で大切なこと
初診日の確認と証明
障害年金における初診日は、年金の種類(国民年金か厚生年金か)や納付要件を判定する基準となる極めて重要な日です。複数の医療機関を受診している場合、どこが初診日となるのかを正確に把握し、証明できる資料を準備することが必要です。
初診日が古い場合や、既に閉院している医療機関の場合でも、診察券や紹介状、お薬手帳などの資料から初診日を証明できるケースがあります。諦めずに、当時の記録を探してみることが大切です。
診断書における日常生活状況の正確な反映
障害年金の審査では、診断書の内容が非常に重要な判断材料となります。特に肢体の障害の場合、「どの動作がどの程度困難なのか」を具体的に記載してもらうことが重要です。
医師は医学的な所見は正確に記載できますが、日常生活における細かな困難さまでは把握していないことがあります。診断書作成を依頼する際には、日常生活での具体的な困難(階段昇降、入浴動作、着替え、調理など)を医師へしっかり伝えることが大切です。
専門家への早めの相談
障害年金の制度は複雑で、初診日の考え方、納付要件、障害の程度の認定基準など、専門的な知識が必要な場面が多くあります。自己判断で「受給できない」と諦めたり、誤った手続きで不支給になったりするケースも少なくありません。
障害年金を専門とする社会保険労務士に早めにご相談いただくことで、受給の可能性を正確に判断し、適切な準備を進めることができます。初回相談は無料で行っている事務所も多いので、まずは気軽に問い合わせてみることをお勧めします。
よくある質問(Q&A)
Q. 筋ジストロフィーやミオパチーでも障害年金は受給できますか?
A. はい、受給できる可能性があります。日常生活における動作の制限の程度によって等級が判定されますので、階段昇降や立ち上がり動作などに困難がある場合は、ぜひ専門家にご相談ください。診断書に日常生活の状況を正確に反映させることが重要です。
Q. 身体障害者手帳を持っていると障害年金も受給できますか?
A. 身体障害者手帳と障害年金は別の制度ですので、手帳があるから必ず年金が受給できるわけではありません。ただし、手帳の等級は障害の程度を示す客観的な資料として有効です。この事例でも、手帳2級をお持ちであることが障害の程度を裏付ける資料の一つとなりました。
Q. 仕事をしていると障害年金は受給できませんか?
A. 働いているからといって必ずしも受給できないわけではありません。障害年金の審査では、日常生活能力の制限の程度が重視されます。ただし、フルタイムで問題なく就労できている場合は、等級認定が難しくなることがあります。個別の状況により判断が異なりますので、専門家にご相談ください。
Q. 治療法のない難病でも障害年金の対象になりますか?
A. はい、対象になります。障害年金は「治療の有無」ではなく「障害の状態」で判定されます。根本的な治療法がなく、症状が固定している、または進行している場合でも、日常生活に制限があれば受給できる可能性があります。
Q. 初診日が古い場合でも申請できますか?
A. はい、申請は可能です。ただし、初診日を証明する資料の準備が課題となることがあります。カルテの保存期間が過ぎている場合でも、診察券、紹介状、お薬手帳、健康保険の給付記録などから初診日を証明できるケースがあります。当事務所では初診日の証明についてもサポートしておりますので、ご相談ください。
無料相談のご案内
障害年金の申請は、要件の確認から書類準備まで複雑な手続きが伴います。当事務所では、肢体不自由(筋ジストロフィーやミオパチーに起因)をはじめとするさまざまな傷病での障害年金申請をサポートしております。「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいかわからない」という方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
ご注意事項
本事例は個別の状況に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。障害年金の支給要件・等級・受給額は、お一人おひとりの状況によって異なります。本記事は情報提供を目的としており、法的・医学的アドバイスを提供するものではありません。障害年金の申請をご検討の際は、必ず専門家にご相談ください。


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