【多系統萎縮症で障害年金】の受給事例
多系統萎縮症という難病と向き合いながら日常生活に大きな支障を抱えていらっしゃる方の障害年金申請をサポートし、障害基礎年金2級の認定を受けることができた事例をご紹介いたします。無職の状態で将来への不安を抱えていた方が、適切な申請により年金を受給できるようになりました。
ご相談者様の状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 傷病名 | 多系統萎縮症 |
| 年代・性別 | 50代・男性 |
| 年金種類 | 障害基礎年金 |
| 等級 | 2級 |
| 就労状況 | 無職 |
| 障害者手帳 | 2級(相談時)→1級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、平成31年1月頃から体調に異変を感じ始めました。最初は軽微な症状だったものの、次第に立ち上がりや歩行に支障が出るようになり、同年4月に初めて医療機関を受診されました。
その後、症状は徐々に進行し、多系統萎縮症という診断を受けられました。この病気は神経系の変性疾患であり、自律神経症状、パーキンソン症状、小脳症状などが複合的に現れる難病です。ご相談者様も、立ち上がりや歩行、食事など日常生活の基本的な動作がご自身では難しくなっていきました。
治療とリハビリを続けるため、症状の進行に応じて専門的な医療機関へ転院を重ねられました。身の回りのことも徐々にご自身では困難となり、デイサービスを週5日利用し、訪問リハビリも週2日受けるなど、福祉サービスを活用しながらの生活を余儀なくされていました。
このような状態で就労することは不可能となり、無職の状態が続いていました。内縁のご家族の支えはあったものの、経済的な不安も大きく、障害年金の受給を検討されて当事務所へお電話にてご相談いただきました。
申請で問題になったポイント
初診日の特定と医療機関の変遷
多系統萎縮症の場合、初期症状が他の病気と誤認されたり、複数の医療機関を経て正確な診断に至ることが少なくありません。この方の場合も、最初に受診した医療機関では別の症状として診察を受けており、その後専門的な医療機関へと転院を重ねられていました。
障害年金の申請では「初診日」の特定が極めて重要です。初診日がいつで、どの医療機関だったのかを正確に確認する必要がありました。カルテの保存状況や受診歴の確認を丁寧に行い、初診日を確定させることが最初の課題となりました。
認定日と現症日における診断書の取得
障害認定日(初診日から1年6か月後)と現在の状態の両方について診断書を取得する必要がありましたが、それぞれ異なる医療機関を受診していたため、複数の病院から診断書を取得する必要がありました。
特に認定日時点の診断書については、すでに転院した後であったため、当時の医療機関から過去の状態を正確に記載してもらう必要がありました。また、障害者手帳の等級が認定日時点では2級、現症時点では1級と変化しており、病状の進行を適切に反映した診断書の作成が求められました。
日常生活状況の詳細な把握
多系統萎縮症は、外見からは分かりにくい症状も多く、日常生活でどのような支障があるのかを具体的に伝えることが重要です。立ち上がり、歩行、食事などの基本動作がご自身ではできない状態であること、デイサービスや訪問リハビリなどの福祉サービスを常時利用している状況を、病歴・就労状況等申立書に詳細に記載する必要がありました。
当事務所で行ったサポート
まず、初診日の特定のために、これまでの受診歴を丁寧にヒアリングし、それぞれの医療機関でのカルテの有無や受診内容を確認しました。初診の医療機関から正確な受診状況証明書を取得できるよう、手続きをサポートいたしました。
次に、複数の医療機関から診断書を取得する必要があったため、それぞれの病院に対して、障害年金申請における診断書の重要性や記載のポイントをお伝えし、適切な内容の診断書を作成していただけるよう調整を行いました。特に認定日時点の診断書については、当時の医療記録に基づいて正確に記載していただく必要があり、丁寧な依頼を行いました。
また、病歴・就労状況等申立書の作成では、発症から現在に至るまでの症状の推移、日常生活における支障、利用している福祉サービスの内容などを詳細にヒアリングし、審査する側に状況が正確に伝わるよう配慮して作成いたしました。
結果
認定日請求により、障害基礎年金2級の認定を受けることができました。これにより、認定日に遡って年金を受給できることとなり、経済的な不安が大きく軽減されました。
多系統萎縮症という進行性の難病であることを踏まえ、診断書や申立書において日常生活の支障を具体的に示せたことが、適切な等級認定につながったと考えられます。無職であることについても、病状により就労が困難である状況が明確に認められました。
同じ傷病で障害年金を検討している方へ
多系統萎縮症は、国の指定難病であり、進行性の神経変性疾患です。自律神経障害、運動機能障害、小脳症状などが複合的に現れ、日常生活に大きな影響を及ぼします。症状の進行速度や現れ方は個人差がありますが、多くの方が歩行困難、起立性低血圧、排尿障害などの症状に悩まされています。
このような症状により、仕事や日常生活に支障が出ている場合、障害年金の対象となる可能性があります。「まだ初期段階だから」「少しは動けるから」と諦める必要はありません。実際の日常生活での困難さや、必要な介助・福祉サービスの状況などを総合的に判断されます。
多系統萎縮症は進行性の病気ですので、早めに障害年金の申請を検討されることをおすすめします。初診日の特定や診断書の取得など、時間が経つと難しくなる手続きもあります。一人で悩まず、専門家にご相談いただくことで、適切な申請につながる可能性が高まります。
障害年金の申請で大切なこと
初診日の確認と証明
障害年金の申請において、初診日の特定は最も重要なポイントの一つです。初診日がいつであるかによって、加入していた年金制度や納付要件、障害認定日などが決まります。特に多系統萎縮症のように、初期症状が他の病気と紛らわしく、診断が確定するまでに複数の医療機関を受診するケースでは、「どの医療機関への受診が初診となるのか」を正確に特定することが必要です。
受診状況証明書(受診状況等証明書)を取得する際には、カルテが保存されているか、当時の症状がどのようなものだったかを確認する必要があります。時間が経つとカルテが廃棄されることもありますので、早めの対応が大切です。
診断書の内容を適切に整える
障害年金の審査において、診断書は最も重要な書類です。医師は医学的な視点から診断書を作成しますが、必ずしも障害年金の基準に沿った記載になるとは限りません。日常生活でどのような支障があるのか、どの程度の介助が必要なのかなど、具体的な状況が分かるように記載されていることが重要です。
診断書を医師に依頼する際には、日頃の症状や困っていることを具体的に伝えることが大切です。また、診断書が完成した後も内容を確認し、実態と異なる記載や不足している情報がないかをチェックすることをおすすめします。
専門家のサポートを活用する
障害年金の申請は、初診日の確認、診断書の取得、病歴・就労状況等申立書の作成など、多くの手続きと専門知識を要します。特に難病の場合は、疾患の特性を理解した上で申請書類を整える必要があります。
社会保険労務士などの専門家に依頼することで、適切な書類準備、医療機関との調整、審査のポイントを押さえた申請が可能になります。「自分のケースで受給できるのか」「何から始めればよいのか」といった疑問がある場合も、まずは相談してみることをおすすめします。
よくある質問(Q&A)
Q. 多系統萎縮症と診断されましたが、まだ少し動けます。障害年金の対象になるでしょうか?
A. 障害年金は「どのくらい動けるか」だけではなく、日常生活や就労にどの程度支障があるかで判断されます。少し動けても、転倒のリスクが高い、長時間の活動ができない、介助が必要など、実際の生活上の困難があれば対象となる可能性があります。具体的な状況を専門家に相談されることをおすすめします。
Q. 無職ですが、働いていないことが障害年金の審査に不利になりませんか?
A. いいえ、不利にはなりません。むしろ、病気やケガにより就労が困難である状況は、障害年金の受給要件の一つである「生活や仕事に支障がある」ことを示す重要な事実です。就労できない理由や日常生活の状況を適切に伝えることが大切です。
Q. 初診から何年も経っていますが、今から申請できますか?
A. はい、申請は可能です。障害認定日(初診日から1年6か月後)に遡って請求する「認定日請求」や、現在の状態で請求する「事後重症請求」などの方法があります。ただし、初診日の証明やカルテの保存状況によっては難しい場合もありますので、早めに専門家にご相談ください。
Q. デイサービスや訪問リハビリを利用していますが、このことは申請に関係ありますか?
A. はい、大いに関係があります。福祉サービスを利用しているということは、日常生活に支援が必要な状態であることの証明になります。病歴・就労状況等申立書には、利用しているサービスの種類や頻度を具体的に記載することで、実際の生活状況が審査する側に伝わりやすくなります。
Q. 障害者手帳を持っていれば、障害年金も受給できますか?
A. 障害者手帳と障害年金は別の制度であり、判定基準も異なります。手帳を持っているからといって必ず年金が受給できるわけではありませんし、逆に手帳がなくても年金が受給できる場合もあります。ただし、手帳の等級は診断書の参考情報として活用できることがあります。
無料相談のご案内
障害年金の申請は、要件の確認から書類準備まで複雑な手続きが伴います。当事務所では、多系統萎縮症をはじめとするさまざまな傷病での障害年金申請をサポートしております。「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいかわからない」という方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
ご注意事項
本事例は個別の状況に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。障害年金の支給要件・等級・受給額は、お一人おひとりの状況によって異なります。本記事は情報提供を目的としており、法的・医学的アドバイスを提供するものではありません。障害年金の申請をご検討の際は、必ず専門家にご相談ください。


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