【双極性感情障害で障害年金】の受給事例
双極性感情障害と診断され、長年にわたり治療を続けてきた方が、遡及請求により障害厚生年金2級を受給できた事例をご紹介します。複数の医療機関を経て入院に至り、日常生活に大きな支障を抱えながらも、適切な申請サポートにより受給が認められたケースです。
ご相談者様の状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 傷病名 | 双極性感情障害 |
| 年金種類 | 障害共済年金 |
| 認定等級 | 2級 |
| 就労状況 | 無職 |
| 請求の種類 | 遡及請求 |
ご相談までの経緯
この方は、平成15年頃から精神的な不調を感じ始め、その後複数の医療機関で治療を重ねてこられました。当初はうつ病と診断されていましたが、治療を続ける中で双極性感情障害との診断に至り、気分の変動に長年苦しんでこられました。
平成20年代に都内の医療機関で治療を開始し、その後三重県での通院を経て、再び東京都内の医療機関で長期にわたり通院治療を継続されていました。しかし、症状のコントロールが難しく、令和4年には入院治療が必要となるまで状態が悪化されました。
入院中、病院のスタッフから障害年金の制度について情報を得られ、ご自身でも調べる中で「過去に遡って請求できる可能性がある」ことを知り、当事務所にご相談いただきました。長い治療歴があり、複数の医療機関を経ているため、初診日の特定や書類の準備に不安を感じていらっしゃいました。
双極性感情障害の症状により、気分の波が大きく、日常生活の維持が困難な状態が続いており、就労も難しい状況でした。入院を機に、生活の立て直しと経済的な支えを求めて障害年金の申請を決意されました。
申請で問題になったポイント
初診日の特定が最重要課題
この事例で最も重要だったのは、初診日の特定でした。ご相談者様の記憶では平成15年頃に最初の受診があったとのことでしたが、当時の医療機関の詳細が不明瞭でした。障害年金の申請では、初診日がどの日と判断されるかによって、納付要件や受給できる年金の種類が大きく変わります。
詳しくヒアリングと調査を進めた結果、平成21年に三重県の医療機関を受診した際のカルテに、前医(都内の医療機関)の記載があることが判明しました。この証明資料が初診日特定の重要な手がかりとなりました。
複数の医療機関にまたがる治療歴の整理
ご相談者様は約20年にわたり、都内、三重県、再び都内と、複数の医療機関で治療を受けてこられました。途中で医療機関が移転していたケースもあり、治療の経緯を時系列で正確に整理することが必要でした。
障害年金の申請では「病歴・就労状況等申立書」という書類に、発病から現在までの経過を詳しく記載します。複数の医療機関での治療内容、症状の変化、日常生活への影響などを、矛盾なく一貫性を持って説明することが求められました。
診断書の内容の精査
入院中の医療機関で診断書を作成いただきましたが、内容を確認したところ、ご相談者様の実際の生活状況と比較して、症状の重さが十分に反映されていない可能性がありました。診断書は障害年金審査の最重要書類であり、日常生活の具体的な支障が正確に記載されていることが必要です。
医師は医学的観点から診断書を作成しますが、必ずしも日常生活上の困難さが詳細に伝わる記載になっているとは限りません。このギャップを埋めることが、適切な等級認定を受けるために重要でした。
当事務所で行ったサポート
まず、ご相談者様の長い治療歴を丁寧にヒアリングし、時系列で整理しました。平成15年頃の受診状況については記憶が曖昧な部分もありましたが、その後の受診歴については比較的明確でしたので、各医療機関への照会方法を検討しました。三重県の医療機関に受診証明書を依頼し、前医の記載があることを確認できたことで、初診日の証明に大きく前進しました。
病歴・就労状況等申立書の作成では、双極性感情障害特有の気分の波、躁状態とうつ状態の繰り返し、それによる日常生活への具体的な影響を、時期ごとに詳しく記載しました。また、診断書の内容についても、実際の生活状況と照らし合わせながら確認し、必要に応じて追加の情報提供を医療機関に行いました。共済組合への提出に際しては、担当窓口と連絡を取りながら、スムーズな申請手続きを進めました。
結果
遡及請求により、障害共済年金2級として認定されました。初診日から一定期間経過後(認定日)に遡って受給権が発生したため、過去の分も含めて年金を受け取ることができました。
双極性感情障害による日常生活の制限が適切に評価され、長年の治療歴と現在の症状の重さが認められた結果です。ご相談者様からは「こんなに丁寧にサポートしていただけると思わなかった」「経済的な不安が少し和らいだ」とのお言葉をいただきました。
同じ傷病で障害年金を検討している方へ
双極性感情障害は、躁状態とうつ状態を繰り返すという特性から、症状の波があり、調子の良い時期と悪い時期の差が大きい病気です。そのため「今は少し良いから申請できないのでは」「以前働けていた時期があるから認められないのでは」と心配される方も多くいらっしゃいます。
しかし、障害年金の審査では、現在の症状や日常生活の制限の程度が総合的に判断されます。気分の波があることそのものが、安定した生活を送る上での大きな障害となっている場合、それは適切に評価されるべきものです。過去に就労していた時期があっても、現在就労が困難な状態であれば、受給の可能性は十分にあります。
双極性感情障害での障害年金申請は決して珍しいことではありません。長年治療を続けているのに生活に大きな支障がある、経済的に困窮している、という方は、ぜひ一度専門家に相談されることをお勧めします。諦める必要はありません。
障害年金の申請で大切なこと
初診日の確認は最優先事項
障害年金の申請では、初診日がいつであるかが最も重要です。初診日によって、加入していた年金制度(国民年金・厚生年金・共済年金)が決まり、受給できる年金の種類や金額が変わります。また、初診日の前日時点で保険料の納付要件を満たしているかも確認されます。
初診の医療機関が既に閉院していたり、カルテが残っていなかったりする場合でも、別の方法で証明できる可能性があります。2番目に受診した医療機関のカルテに前医の記載がある、診察券や領収書が残っている、など、様々な資料が証拠となり得ます。記憶が曖昧でも、専門家と一緒に丁寧に振り返ることで、初診日を特定できるケースは多くあります。
診断書は障害年金審査の核心
医師が作成する診断書は、障害年金の審査において最も重視される書類です。診断名だけでなく、日常生活の具体的な制限、他者の援助の必要性、就労への影響などが詳しく記載される必要があります。
医師は医学的な観点から診断書を書きますが、患者様の日常生活の細かな様子まで把握しているとは限りません。診断書作成前に、日常生活でどのような困難があるか、どのような援助を受けているかなどを、具体的に医師に伝えることが大切です。必要であれば、メモや補足資料を持参するのも有効です。
専門家のサポートを活用する
障害年金の申請は、制度の理解、初診日の特定、必要書類の収集、病歴の整理、診断書の確認など、多岐にわたる専門知識と経験が必要です。特に精神疾患の場合、症状の変動や日常生活への影響を適切に文章化することが難しい場合も多くあります。
社会保険労務士は障害年金申請の専門家であり、多くの事例を扱った経験から、個々のケースに応じた最適なアプローチを提案できます。「自分で申請して不支給になってしまった」という方でも、専門家のサポートで再申請により認定されるケースもあります。無料相談を実施している事務所も多いので、まずは気軽に相談してみることをお勧めします。
よくある質問(Q&A)
Q. 双極性感情障害で障害年金を受給できる可能性はありますか?
A. 双極性感情障害で障害年金を受給されている方は多くいらっしゃいます。日常生活や就労に大きな支障があり、医師の継続的な治療を受けている場合は、受給できる可能性があります。症状の程度や生活への影響を総合的に判断して等級が決まりますので、まずは専門家にご相談ください。
Q. 以前働いていた時期があっても申請できますか?
A. 過去に就労していたことは、現在の申請に直接的な影響を与えません。障害年金の審査では、現在の症状や生活状況が重視されます。現在働いていない、または働いていても大きな配慮を受けながら限定的な就労をしている場合は、受給できる可能性があります。
Q. 複数の医療機関で治療を受けてきましたが、初診日はどう証明すればよいですか?
A. 最初に受診した医療機関から受診証明書(受診状況等証明書)を取得するのが基本ですが、閉院している場合や古すぎてカルテが残っていない場合もあります。その場合は、2番目の医療機関のカルテに前医の記載があるか、診察券や領収書などの資料が残っていないか確認します。証明方法は複数ありますので、専門家と一緒に探すことをお勧めします。
Q. 診断書は自分で内容を確認した方がよいですか?
A. はい、診断書の内容はご自身でも確認されることをお勧めします。日常生活の状況が正確に反映されているか、実際よりも軽く書かれていないかをチェックしてください。もし実態と異なる記載があれば、医師に補足説明をお願いすることも可能です。ただし、診断書の専門的な読み方については社会保険労務士に相談すると安心です。
Q. 遡及請求とは何ですか?いつまで遡れますか?
A. 遡及請求とは、過去に遡って障害年金を請求することです。初診日から1年6ヶ月経過した日(認定日)の時点で既に障害の状態にあった場合、その時点まで遡って受給権が発生します。ただし、時効により過去5年分までしか支給されませんので、早めの申請が大切です。認定日の診断書が取得できるかどうかがポイントになります。
無料相談のご案内
障害年金の申請は、要件の確認から書類準備まで複雑な手続きが伴います。当事務所では、双極性感情障害をはじめとするさまざまな傷病での障害年金申請をサポートしております。「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいかわからない」という方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
ご注意事項
本事例は個別の状況に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。障害年金の支給要件・等級・受給額は、お一人おひとりの状況によって異なります。本記事は情報提供を目的としており、法的・医学的アドバイスを提供するものではありません。障害年金の申請をご検討の際は、必ず専門家にご相談ください。


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